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しらさぎ館

制作者: 冬至梅
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第1話 1945年十二月、ウェールズ南部にて
冬至梅
2025年12月09日 13:17 | 63
1945年十二月の昼下がり、灰色の雲が空をすっかり覆い、雪まじりの細い雨が絶え間なく降り続いていました。ロンドンから長い旅をしてきた列車は、速度を緩め、ひっそりとしたウェールズ南部の駅へと滑り込みました。

 木製の個室客車の扉が一つずつ開くたび、軍服姿の青年や肩を寄せ合う家族、そして大きな荷物を抱えた人々が、ホームへ降り立ちます。彼らの顔には、戦争が終わった安堵と、これからの日々への不安が淡く交じり合っていました。
 大きな機関車は甲高い汽笛を鳴らし、蒸気を力強く吹き上げると、客車を軋ませながら再びゆっくりと走り去っていきました。

 やがて、蒸気が薄れていった時、駅舎の屋根の下には、二つの人影が取り残されていました。山高帽をかぶった細身の紳士と、その傍らに立つ小柄で痩せっぽちの少女です。紳士は少女の手を握っていましたが、その指先には家族の温もりというより、壊れやすい荷物を落とすまいとするような、どこか距離のある冷たさがありました。

 その時、静かなホームに、落ち着いた声がそっと響きました。

「弁護士のマクリーン様でいらっしゃいますか?」

 振り向くと、五十代ほどの紳士が、深く帽子を取って礼をしていました。

白鷺館しらさぎかんの執事、ハロルド・ペニントンと申します」
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このパートからの分岐 (1)
アンナお嬢様

ペニントン氏の挨拶を受け、山高帽の紳士――弁護士のジョナサン・マクリーン氏は、深く頭を下げました。...

冬至梅 冬至梅
12/11 13:41
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第1話 1945年十二月、ウェールズ南部にて 冬至梅 0 64
・1945年十二月の昼下がり、灰色の雲が空をすっかり覆い、雪まじりの細い雨が絶え間なく...
第2話 アンナお嬢様 冬至梅 0 59
・ペニントン氏の挨拶を受け、山高帽の紳士――弁護士のジョナサン・マクリーン氏は、深く...
NEW 第3話 灰色の村 冬至梅 0 43
・ペニントン氏は帽子のつばを押さえながら、停めてあった黒塗りの自動車へアンナを導き...
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