父さんの声で顔を上げると、古びた木造の家がそこにあった。おばあちゃんの家。
車から降りた瞬間、ジージーと鳴くセミの声が全身にぶつかってきた。東京のセミより、なんかうるさい。
縁側に荷物を置いて、とりあえずポータブルゲーム機の電源を入れる。でも、車の中でずっとやっていたせいで、もうレベル上げにも飽きてきた。
(一週間、ここで何しよう……)
目の前に広がるのは、どこまでも緑色の田んぼだけ。コンビニも、友達の家も、何もない。
僕は、鳴りやまない蝉時雨を聞きながら、ちょっとだけ途方にくれた。
車から降りた瞬間、ジージーと鳴くセミの声が全身にぶつかってきた。東京のセミより、なんかうるさい。
縁側に荷物を置いて、とりあえずポータブルゲーム機の電源を入れる。でも、車の中でずっとやっていたせいで、もうレベル上げにも飽きてきた。
(一週間、ここで何しよう……)
目の前に広がるのは、どこまでも緑色の田んぼだけ。コンビニも、友達の家も、何もない。
僕は、鳴りやまない蝉時雨を聞きながら、ちょっとだけ途方にくれた。