「…え?」
ウォッカとスカーレットは、同時に間の抜けた声を出した。
理科準備室の中には、黒いフードを脱いだウマ娘が一人。
いや、正確にはウマ娘「たち」が三人、机の周りに集まっていた。
「あ、あれ? ウォッカ先輩とスカーレット先輩…」
一番手前にいたのは、一年生のマチカネタンホイザ。その隣には同じく一年生のニシノフラワーとマーベラスサンデー。三人とも申し訳なさそうな顔をしている。
「タンホイザ!? お前が犯人だったのか!?」
「ち、違うんですっ! あの、これには深いワケが……!」
タンホイザは両手をブンブン振って否定した。でも、机の上には確かにタキオン先輩の紫色に光るドリンクのボトルが置いてある。証拠は揃っちゃってる感じ。
「深いワケって何よ! 盗みは盗みでしょ!」
スカーレットが厳しく問い詰めると、ニシノフラワーが涙目になった。
「あの、先輩たち! 本当に悪いことしたのは分かってるんです! でも、これ、タキオン先輩のため……だったんです……」
「はあ!? どういうこと!?」
ウォッカとスカーレットは顔を見合わせた。
マーベラスサンデーが、おそるおそる説明を始める。
「あの、実は……タキオン先輩が最近作ってるドリンク、みんな知ってますよね? あれ、実験のために先輩、ほとんど寝てないんです」
「それで?」
「それで、私たち心配になっちゃって……。あのドリンク、完成したら絶対また自分で飲んじゃうじゃないですか。前も爆発しかけたのに!」
タンホイザが続ける。
「だから、完成する前に隠しちゃおうって……。でも、タキオン先輩にバレたら怒られるから、『盗まれた』ことにして、七不思議の噂を流して、うやむやにしようと思ったんです!」
「トレーニング場の音も、先輩たちの注意を別の場所に逸らすために、私が録音した音を流してたんです…」
ニシノフラワーがしゅんとして言った。
「…………」
「…………」
ウォッカとスカーレットは、しばらく黙り込んだ。
そして、二人同時に大きなため息をついた。
「はあああああ…」
「なんだよそれ! めっちゃいい話じゃねえか!」
ウォッカがいきなり大声を出したので、一年生トリオはビクッとした。
「そ、そうよ! 動機は立派だけど、でも方法が間違ってるわ! 心配なら直接言えばよかったのに!」
スカーレットも呆れた顔をしている。でも、なんだか少し笑ってる。
「ご、ごめんなさい…」
三人が揃って頭を下げた。
「まあ、でもよ」ウォッカは頭をポリポリ掻いた。
「気持ちは分かるぜ。タキオン先輩、確かに暴走しがちだもんな」
「明日、ちゃんと三人でタキオン先輩に謝りなさい。それと、心配してるって気持ちも伝えること。いいわね?」
「はいっ!」
三人が元気よく返事をすると、スカーレットは少しだけ柔らかい表情になった。
「…というわけで、トレセン学園の最初の七不思議、解決! 犯人はちょっとドジな後輩三人組でした!」
ウォッカがふざけて探偵風のポーズを決めると、スカーレットが容赦なくチョップを入れた。
「調子に乗るな! それより、まだ『最初の』って言ったわよね? 他にも七不思議があるってこと?」
「え? あ、そういえば七不思議って七つあるもんな……」
ウォッカは気づいていなかったらしい。
こうして、ウォッカ&スカーレット探偵コンビの最初の事件は、ちょっとほっこりする結末を迎えたのだった。
でも、学園にはまだまだ謎がいっぱい。
次はどんな不思議が待っているのか…?
二人の活躍は、まだまだ続く?
(第1の不思議・完)
ウォッカとスカーレットは、同時に間の抜けた声を出した。
理科準備室の中には、黒いフードを脱いだウマ娘が一人。
いや、正確にはウマ娘「たち」が三人、机の周りに集まっていた。
「あ、あれ? ウォッカ先輩とスカーレット先輩…」
一番手前にいたのは、一年生のマチカネタンホイザ。その隣には同じく一年生のニシノフラワーとマーベラスサンデー。三人とも申し訳なさそうな顔をしている。
「タンホイザ!? お前が犯人だったのか!?」
「ち、違うんですっ! あの、これには深いワケが……!」
タンホイザは両手をブンブン振って否定した。でも、机の上には確かにタキオン先輩の紫色に光るドリンクのボトルが置いてある。証拠は揃っちゃってる感じ。
「深いワケって何よ! 盗みは盗みでしょ!」
スカーレットが厳しく問い詰めると、ニシノフラワーが涙目になった。
「あの、先輩たち! 本当に悪いことしたのは分かってるんです! でも、これ、タキオン先輩のため……だったんです……」
「はあ!? どういうこと!?」
ウォッカとスカーレットは顔を見合わせた。
マーベラスサンデーが、おそるおそる説明を始める。
「あの、実は……タキオン先輩が最近作ってるドリンク、みんな知ってますよね? あれ、実験のために先輩、ほとんど寝てないんです」
「それで?」
「それで、私たち心配になっちゃって……。あのドリンク、完成したら絶対また自分で飲んじゃうじゃないですか。前も爆発しかけたのに!」
タンホイザが続ける。
「だから、完成する前に隠しちゃおうって……。でも、タキオン先輩にバレたら怒られるから、『盗まれた』ことにして、七不思議の噂を流して、うやむやにしようと思ったんです!」
「トレーニング場の音も、先輩たちの注意を別の場所に逸らすために、私が録音した音を流してたんです…」
ニシノフラワーがしゅんとして言った。
「…………」
「…………」
ウォッカとスカーレットは、しばらく黙り込んだ。
そして、二人同時に大きなため息をついた。
「はあああああ…」
「なんだよそれ! めっちゃいい話じゃねえか!」
ウォッカがいきなり大声を出したので、一年生トリオはビクッとした。
「そ、そうよ! 動機は立派だけど、でも方法が間違ってるわ! 心配なら直接言えばよかったのに!」
スカーレットも呆れた顔をしている。でも、なんだか少し笑ってる。
「ご、ごめんなさい…」
三人が揃って頭を下げた。
「まあ、でもよ」ウォッカは頭をポリポリ掻いた。
「気持ちは分かるぜ。タキオン先輩、確かに暴走しがちだもんな」
「明日、ちゃんと三人でタキオン先輩に謝りなさい。それと、心配してるって気持ちも伝えること。いいわね?」
「はいっ!」
三人が元気よく返事をすると、スカーレットは少しだけ柔らかい表情になった。
「…というわけで、トレセン学園の最初の七不思議、解決! 犯人はちょっとドジな後輩三人組でした!」
ウォッカがふざけて探偵風のポーズを決めると、スカーレットが容赦なくチョップを入れた。
「調子に乗るな! それより、まだ『最初の』って言ったわよね? 他にも七不思議があるってこと?」
「え? あ、そういえば七不思議って七つあるもんな……」
ウォッカは気づいていなかったらしい。
こうして、ウォッカ&スカーレット探偵コンビの最初の事件は、ちょっとほっこりする結末を迎えたのだった。
でも、学園にはまだまだ謎がいっぱい。
次はどんな不思議が待っているのか…?
二人の活躍は、まだまだ続く?
(第1の不思議・完)
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