フラグメント『天童ゆりあの日常』
制作者:
レュー
小説設定:
|
連続投稿: 不可
|
投稿権限:
全員
概要
時季外れの転校生がやって来た。
名前は天童ゆりあ。
ただそれだけのはずだった。
それがあんなことになろうとは。
名前は天童ゆりあ。
ただそれだけのはずだった。
それがあんなことになろうとは。
それから毎日。決まった時間、決まった不可解な行動をとる天童さんから俺は目が離せなかった。授業中、チラリと天童さんの横顔を見る。ああいった発言がなければ、ただの普通のどこにでもいそうな少女。転校してきたばかりなのに、テストの成績もそんなに悪くない。普段使っている無駄な語彙のお陰か、国語の点数だけは異様によかった。
「貴殿、今日はいつになく我の顔を見ているな。何かの兆候を感じているか」
「兆候……?」
天童さんの指摘に俺はしまった、という顔をする。天童さんに出会ったあの日から、なんだか胸騒ぎがして仕方がなくて、日常を壊したくなくて、彼女を徹底的に避けていたのだ。あからさまに顔に出していたのか、天童さんはフン、と笑う。見下しているわけでもなく、だからといって俺に興味が湧いているわけでもない、天童さんの言った「兆候」について確認したい、と様子だった。
俺がぼんやりと不敵な笑みを浮かべる天童さんを見ていると、いつも通り机の端に置いてあるプラスチックの筆箱を指差した。
「その遺物から何か、感知したか?」
「いやしてないけど」
俺の即答を意に介さず、筆箱を横目に興味津々に見ている天童さん。
何があるってんだ。
やれやれと次の授業の担当教諭が入ってきたのと同時に、俺は教科書とノートを出し、何気なく筆箱に触れたその時だった。
ズン、グラウンドの方から音がしたと思えば、チカチカと教室の照明が明滅する。
「フン、来たか」
天童さんは、窓の外を見て目を伏せる。それは漫画みたいな余裕だった。天童さんは俺の筆箱の中身を俺の机の上にバサバザと落とし、俺の「ちょっと待て……」という制止も聞かず、プラスチックのシンプルなケースを片手に窓の淵に立つ。
「天童!何をするつもりだ!非常事態だ、大人しくしていなさい!」
教壇に立った教師は、天童さんの奇行に驚嘆しているようだ。だが、それも知らないふりをして、俺を見る。
「やはり、貴殿は同胞であったか。さあ、行こう。これから共に戦おうじゃないか」
教室のどよめきの中、クリアにその声だけが聞こえた気がする。俺は、どうするべきか迷った。正直何が起こっているのか、理解不能だ。はく、と喉が鳴るのが分かる。彼女の手を取るべきか否か。それで、全て覆ってしまうような、そんな気がしたからだ。
「貴殿、今日はいつになく我の顔を見ているな。何かの兆候を感じているか」
「兆候……?」
天童さんの指摘に俺はしまった、という顔をする。天童さんに出会ったあの日から、なんだか胸騒ぎがして仕方がなくて、日常を壊したくなくて、彼女を徹底的に避けていたのだ。あからさまに顔に出していたのか、天童さんはフン、と笑う。見下しているわけでもなく、だからといって俺に興味が湧いているわけでもない、天童さんの言った「兆候」について確認したい、と様子だった。
俺がぼんやりと不敵な笑みを浮かべる天童さんを見ていると、いつも通り机の端に置いてあるプラスチックの筆箱を指差した。
「その遺物から何か、感知したか?」
「いやしてないけど」
俺の即答を意に介さず、筆箱を横目に興味津々に見ている天童さん。
何があるってんだ。
やれやれと次の授業の担当教諭が入ってきたのと同時に、俺は教科書とノートを出し、何気なく筆箱に触れたその時だった。
ズン、グラウンドの方から音がしたと思えば、チカチカと教室の照明が明滅する。
「フン、来たか」
天童さんは、窓の外を見て目を伏せる。それは漫画みたいな余裕だった。天童さんは俺の筆箱の中身を俺の机の上にバサバザと落とし、俺の「ちょっと待て……」という制止も聞かず、プラスチックのシンプルなケースを片手に窓の淵に立つ。
「天童!何をするつもりだ!非常事態だ、大人しくしていなさい!」
教壇に立った教師は、天童さんの奇行に驚嘆しているようだ。だが、それも知らないふりをして、俺を見る。
「やはり、貴殿は同胞であったか。さあ、行こう。これから共に戦おうじゃないか」
教室のどよめきの中、クリアにその声だけが聞こえた気がする。俺は、どうするべきか迷った。正直何が起こっているのか、理解不能だ。はく、と喉が鳴るのが分かる。彼女の手を取るべきか否か。それで、全て覆ってしまうような、そんな気がしたからだ。
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