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透明な記憶

制作者: ケンヂ
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第3話 通知
さんぽ
2025年12月19日 10:39 | 44
翌週、俺は会社を休んだ。理由は体調不良と伝えた。本当は違う。
 ただ、どう言葉にしたらいいか分からなかった。

 ……頭が妙に冴えている。
 だというのに、目の奥がじんじん痛む。
 たぶん、ずっと張りつめていた糸が切れかけているのだ。

 このまま放っておけば、俺は二度と現実に戻れなくなる。そんな予感がしてしまう。

 あの「ID:8297A4B1」。
 照合申請を出せば、過去ログの閲覧もできる。
 それは分かっていたが、俺は……まだその手続きをしていない。

 怖かったのだ。

 その記憶が「彼女の知らない一面」だったら。
 俺の知らない彼女の人生だったら。
 今、俺が大切に抱いているすべてが、崩れてしまう気がした。

 だから、その日一日、俺はただ部屋の中を歩き回っていた。

 冷蔵庫の音がする。時計の針の音。
 郵便受けに入ったチラシ。
 なんでもない生活の音が、やけにうるさく感じる。

 スマートデバイスが点滅している。
 未読通知がひとつ。
 ――自動同期された「外部記憶サーバー」からの更新だ。

 ひとつ開いてみる。
 再生ボタンを押す指が、かすかに震えた。

 映像が始まる。
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エラーコード

視界がジャックされたような感覚だった。 再生された映像は、あの日と同じ代々木公園の風景だ。けれど、...

ケンヂ ケンヂ
12/22 13:19
全階層の表示(5件)
第1話 記憶の引き出し ケンヂ 0 56
・妻が死んでから、もう二年が経つ。 俺は今日も、仕事から帰ると真っ先にリビングの...
第2話 誰かの記憶 さんぽ 0 48
・翌日、仕事中にもあの男のことが頭から離れなかった。  桜の木の下に立っていた知...
第3話 通知 さんぽ 0 45
・翌週、俺は会社を休んだ。理由は体調不良と伝えた。本当は違う。  ただ、どう言葉に...
第4話 エラーコード ケンヂ 0 36
・視界がジャックされたような感覚だった。 再生された映像は、あの日と同じ代々木公...
NEW 第5話 開放された病院 さんぽ 0 15
・療養型病院は、夕方の光に沈んでいた。 最寄り駅から歩くにつれ、街の色が少しずつ...
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