「犯人はお前だ!」
私(朝霧 遥)を含めこの温泉宿に泊まっていた客が全員集められて、中津川刑事が放った一言。
中津川刑事の人差し指はばっちり私に向けられていたが、私は左右をキョロキョロと確認し、自分の人差し指を自分に向けて、首を少しかしげ、わたし?という表情をした。
あ、こんなシーン漫画とかでありそうだな、と思ったが笑い事ではない。
──だって私じゃないもん
昨晩、この宿に泊まっていた客が死んでいた(らしい)
中年の男性で、どうやら殺人(らしい)
朝方、警察の人達が来て騒がしくなっていて、人づてに聞いた話はこれだけで、それ以上のことはなにも知らない。
え?なにこれ?冤罪ってやつ?容疑者になるってやつ?
私は慌てて首を大きく左右に振って、「違います違います」と言った。
首を振りながら、あ、なんか嘘くさい動作だな、と思った。
険しい顔をした中津川刑事がゆっくりと私に向かって近づいてくる。
「わかってる。全部分かってるんだ」
物知り顔で彼はそう言った。
私(朝霧 遥)を含めこの温泉宿に泊まっていた客が全員集められて、中津川刑事が放った一言。
中津川刑事の人差し指はばっちり私に向けられていたが、私は左右をキョロキョロと確認し、自分の人差し指を自分に向けて、首を少しかしげ、わたし?という表情をした。
あ、こんなシーン漫画とかでありそうだな、と思ったが笑い事ではない。
──だって私じゃないもん
昨晩、この宿に泊まっていた客が死んでいた(らしい)
中年の男性で、どうやら殺人(らしい)
朝方、警察の人達が来て騒がしくなっていて、人づてに聞いた話はこれだけで、それ以上のことはなにも知らない。
え?なにこれ?冤罪ってやつ?容疑者になるってやつ?
私は慌てて首を大きく左右に振って、「違います違います」と言った。
首を振りながら、あ、なんか嘘くさい動作だな、と思った。
険しい顔をした中津川刑事がゆっくりと私に向かって近づいてくる。
「わかってる。全部分かってるんだ」
物知り顔で彼はそう言った。