朝霧 遥の湯けむり事件簿

制作者: あさり ラノベ風
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第3話 私のアリバイ?
蒼月(そうげつ)
2025年10月23日 13:58
「おい!どこを見とる!」

はっ、可愛いという言葉に反応してしまった。それどころじゃない!

「ちょ、ちょっと待ってください!」

私は慌てて両手を前に出した。待て、のポーズ。

「確かにそれは私のハンカチです。でも、でもですね!私、被害者の方に会ったことすらないんです!」

「ほう」中津川警部が腕を組んだ。「では、そのハンカチがなぜ被害者の手に?」

「それが私にもわからないんですよ!昨日の夕方くらいまでは確かに持ってたんですけど、その後、どっかで落としちゃったみたいで……」

我ながら苦しい言い訳だと思った。これ、ドラマとかだったら絶対に怪しまれるやつだ。

「落とした?」刑事さんの眉が片方だけピクッと上がった。

「はい……お風呂に入る前に脱衣所で……あ!」

私は何かを思い出した。

「そうだ!お風呂から上がったら、ハンカチがなくなってたんです!誰かが持って行っちゃったんですよ、きっと!」

「つまり君のハンカチを盗んだ誰かが、それを使って殺人を……?」

「そうです!そうに違いありません!私に罪をなすりつけるためにですよっ!」

私は力強く頷いた。完璧な推理じゃない?

「ふむ」

中津川刑事が何か言おうとしたその時、

「ちょっと待ちなさい!」

凛とした声が響いた。

え?誰?

振り向くと、そこには70歳くらいのおばあちゃんが立っていた。着物姿で、背筋がピンと伸びている。なんか貫禄がすごい。

「その子は犯人じゃないわよ」

おばあちゃんはそう言い切った。

「あなたは?」中津川警部が怪訝な顔をする。

「私は桐谷梅子。この宿の常連よ。もう50年も通ってるの」

50年!?私よりずっと長い!

「それで、なぜこの女性が犯人ではないと?」

「だって、この子、昨日の夜9時から11時まで、ずっと私と一緒にいたもの」

え?

えええええ?

私、そんな記憶ないんですけど!?
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えっと、その……誰?

「え?」 私は思わず声が出た。 「え?」って、もう今日何回言っただろう。でも仕方ない。だって私、こ...

あさり あさり
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「え?」 私は思わず声が出た。 「え?」って、もう今日何回言っただろう。でも仕方ない。だって私、こ...

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