朝霧 遥の湯けむり事件簿

制作者: あさり ラノベ風
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第2話 私じゃないよ?
あさり
2025年10月21日 16:26
「わかってる。全部分かってるんだ」

何が、何がわかってるって言うんですか!? 刑事さんは私の目の前でぴた、と止まった。うわ、近い。圧がすごい。なんか目が据わってる。こわい。

「とぼけても無駄だ。朝霧遥さん」

名前まで知ってる。そりゃそうか、宿帳に書いてあるもんね。 私はゴクリと唾を飲んだ。

「これを見ても、しらばっくれるつもりか?」

中津川刑事がジャケットの内ポケットから取り出したのは、透明なビニールの袋だった。その中に入っていたのは……。

え?

見覚えがある。いや、見覚えがあるどころじゃない。 それ、私が昨日使ってたハンカチだ。水色で、端っこにウサギの刺繍が入ってるやつ。 なんでそれがそんなところに?

「こ、これ、私のです。確かに私のですけど……なんで刑事さんが持ってるんですか?」 「被害者の部屋で発見された」 「え?」 「もっと詳しく言おう。被害者が、これを強く握りしめて死んでいたんだ」

「ええええええ!?」

私は今日一番、いや、人生で一番かもしれないくらい大きな声を出した。
私ってこんな大きな声出るんだ、ってちょっと思った。

周りにいた他のお客さんたちが、さっきよりももっとヒソヒソしてる。「やっぱりあの若い子が……」「まさか、あんな可愛い顔して……」みたいな声が聞こえてくる。

え?誰か可愛いって言った?
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蒼月(そうげつ) 蒼月(そうげつ)
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