「わかってる。全部分かってるんだ」
何が、何がわかってるって言うんですか!? 刑事さんは私の目の前でぴた、と止まった。うわ、近い。圧がすごい。なんか目が据わってる。こわい。
「とぼけても無駄だ。朝霧遥さん」
名前まで知ってる。そりゃそうか、宿帳に書いてあるもんね。 私はゴクリと唾を飲んだ。
「これを見ても、しらばっくれるつもりか?」
中津川刑事がジャケットの内ポケットから取り出したのは、透明なビニールの袋だった。その中に入っていたのは……。
え?
見覚えがある。いや、見覚えがあるどころじゃない。 それ、私が昨日使ってたハンカチだ。水色で、端っこにウサギの刺繍が入ってるやつ。 なんでそれがそんなところに?
「こ、これ、私のです。確かに私のですけど……なんで刑事さんが持ってるんですか?」 「被害者の部屋で発見された」 「え?」 「もっと詳しく言おう。被害者が、これを強く握りしめて死んでいたんだ」
「ええええええ!?」
私は今日一番、いや、人生で一番かもしれないくらい大きな声を出した。
私ってこんな大きな声出るんだ、ってちょっと思った。
周りにいた他のお客さんたちが、さっきよりももっとヒソヒソしてる。「やっぱりあの若い子が……」「まさか、あんな可愛い顔して……」みたいな声が聞こえてくる。
え?誰か可愛いって言った?
何が、何がわかってるって言うんですか!? 刑事さんは私の目の前でぴた、と止まった。うわ、近い。圧がすごい。なんか目が据わってる。こわい。
「とぼけても無駄だ。朝霧遥さん」
名前まで知ってる。そりゃそうか、宿帳に書いてあるもんね。 私はゴクリと唾を飲んだ。
「これを見ても、しらばっくれるつもりか?」
中津川刑事がジャケットの内ポケットから取り出したのは、透明なビニールの袋だった。その中に入っていたのは……。
え?
見覚えがある。いや、見覚えがあるどころじゃない。 それ、私が昨日使ってたハンカチだ。水色で、端っこにウサギの刺繍が入ってるやつ。 なんでそれがそんなところに?
「こ、これ、私のです。確かに私のですけど……なんで刑事さんが持ってるんですか?」 「被害者の部屋で発見された」 「え?」 「もっと詳しく言おう。被害者が、これを強く握りしめて死んでいたんだ」
「ええええええ!?」
私は今日一番、いや、人生で一番かもしれないくらい大きな声を出した。
私ってこんな大きな声出るんだ、ってちょっと思った。
周りにいた他のお客さんたちが、さっきよりももっとヒソヒソしてる。「やっぱりあの若い子が……」「まさか、あんな可愛い顔して……」みたいな声が聞こえてくる。
え?誰か可愛いって言った?
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あさり
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