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ファントム・オブ・ジ・オペラ

制作者: 冬至梅
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 完結数: 50話で完結

概要

第2話 亡霊からの挨拶
蒼月(そうげつ)
2025年12月04日 22:37 | 74
「馬鹿げている!」

 新支配人リチャードは手紙を握りつぶし、相棒のモンチャミンと共に鼻で笑った。
「月二万フランだと?亡霊が給料を欲しがるとはな。行くぞ、仕事だ」

 二人はマダム・ジリーの警告も聞かずに階段を上がっていく。取り残されたラウルに、ジリーが低い声で告げた。
「……あの方々は、怪人を甘く見ています。彼は影であり、拒絶は招待状と同じですわ」

 その直後だった。支配人室から素っ頓狂な悲鳴が上がったのは。
「な、ない!私の金時計がない!」

 ラウルたちが駆けつけると、リチャードが青ざめた顔でポケットをまさぐっていた。馬車を降りた時は確かにあったはずの家宝の時計が消え、代わりに一枚のカードが出てくる。

《今月の給与の前払いとして、金時計は頂戴した。
君たちの誠意の軽さを補うのに丁度いい。  ——O.G.》

「いつの間にスッたんだ……!?」

 絶句する支配人たちの傍ら、ラウルは開け放たれた窓辺に歩み寄った。そこには犯人の姿はなく、ただ一本、真紅の薔薇が手すりに残され、冬風に揺れているだけだった。

「オペラ座の怪人……」
ラウルは薔薇を拾い上げ、口元を緩めた。
「奴はただの脅迫者じゃない。奴こそが…」
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このパートからの分岐 (1)
エンジェル・オブ・ミュージック

同じ頃、支配人室のざわめきなど遠い世界のことのように、コーラスガールの楽屋には静謐な空気が満ちていた...

冬至梅 冬至梅
12/05 14:26
全階層の表示(8件)
第1話 プロローグ 冬至梅 0 73
・***  1880年、冬の気配が濃く垂れ込めるパリの明朝、重々しい馬車がガルニエ宮...
第2話 亡霊からの挨拶 蒼月(そうげつ) 1 75
・「馬鹿げている!」  新支配人リチャードは手紙を握りつぶし、相棒のモンチャミン...
第3話 エンジェル・オブ・ミュージック 冬至梅 0 63
・同じ頃、支配人室のざわめきなど遠い世界のことのように、コーラスガールの楽屋には静...
第4話 疑惑の眼差し 蒼月(そうげつ) 1 70
・手紙をドレスのポケットの奥深くへ押し込むと、クリスティーヌは音を立てないように楽...
第5話 冬至梅 0 65
・クリスティーヌは、涙が滲む視界のまま階段を駆け降りた。ようやく辿り着いたのは、地...
第6話 支配人のオフィス 冬至梅 0 58
・翌朝、玄関ホールの大理石には灰色の朝靄がうっすらと纏わりついていた。アマンド・モ...
第7話 秘密の代償 蒼月(そうげつ) 1 73
・手紙を手に取ったモンチャミンは、一瞬だけ眉をひそめた後、声に出して読み上げた。...
NEW 第8話 ラウルの葛藤 冬至梅 0 61
・若き子爵は、はっと息を呑むと、影のように身を翻し、階段を駆け下りた。やがてロビー...
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