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白銀の檻、暖炉の密室

制作者: クロマル
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第9話 容疑者3:毒島
クロマル
2025年12月20日 08:27 | 61
毒島ぶすじまは暖炉から一番遠い窓際に立っていた。
白衣の背中が、吹雪で真っ白になった窓ガラスに溶け込んでいる。まるで幽霊みたいだ。

「毒島さん」

声をかけると、ゆっくりと振り返る。
厚いレンズの奥の瞳は、標本を観察するような冷たさがあった。白衣の胸ポケットには何本ものボールペン。袖口には、茶色いシミ。……血じゃない。たぶん、薬品だ。

「……なんです」
「犯行時刻、どこに?」
「自室。203号室。実験データの整理をしていた」
「証人は」
「いない」

短い。まるで機械と話しているみたいだ。

「豪田さんとの関係は?」
「……依頼人」

毒島は眼鏡を押し上げた。レンズが暖炉の光を反射して、一瞬だけ目が見えなくなる。

「彼は、ある研究の出資者だった。もっとも、最近は資金繰りが苦しかったようで……約束の額は滞っていたが」

「研究って、何の?」

毒島は答えない。代わりに、窓の外の吹雪を見つめた。

「……人間の記憶に関する、ちょっとした実験です」

その声は、雪に吸い込まれるように消えた。
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このパートからの分岐 (1)
容疑者4:鈴木

鈴木は暖炉の近くに座っていた。 量販店の灰色のスーツ。くたびれたネクタイ。革靴の先は雪で滲んでいる。...

クロマル クロマル
01/03 10:24
全階層の表示(10件)
第1話 プロローグ クロマル 0 86
・窓の外は、世界を白く塗りつぶす猛吹雪。 山奥に佇むペンション『スノードロップ』の...
第2話 閉ざされた山荘 蒼月(そうげつ) 0 104
・暖炉の火の粉がパチパチと舞う。 そのオレンジ色の光を背に受けて、鬼頭が一歩前へ出...
第3話 相馬と鬼頭 クロマル 0 73
・暖炉の炎が、豪田の背中に突き刺さったナイフの柄を鈍く光らせている。私は吸い寄せら...
第4話 探偵・相馬 ケンヂ 0 70
・「おい、待てよ」 沈黙を破ったのは、不機嫌そうに紫煙を吐き出していた御子柴だった...
第5話 現場検証 クロマル 0 66
・「……派手にやったな」 私は呟きながら、豪田の遺体の横に膝をつく。 床に広がった血...
第6話 微かな手がかり 蒼月(そうげつ) 0 58
・私は暖炉から視線を外し、ラウンジ全体をゆっくりと見渡した。 「相馬、こっちに」...
第7話 容疑者1:御子柴 クロマル 0 75
・御子柴は、ラウンジの一番奥にある革張りのソファを陣取っていた。 立ち上る葉巻の煙...
第8話 容疑者2:九条 蒼月(そうげつ) 0 105
・「あら、次は私? 光栄ね」 九条は、手にしていたグラスをゆっくりと回した。中の...
第9話 容疑者3:毒島 クロマル 0 62
・|毒島《ぶすじま》は暖炉から一番遠い窓際に立っていた。 白衣の背中が、吹雪で真っ...
NEW 第10話 容疑者4:鈴木 クロマル 0 21
・鈴木は暖炉の近くに座っていた。 量販店の灰色のスーツ。くたびれたネクタイ。革靴の...
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