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白銀の檻、暖炉の密室

制作者: クロマル
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第8話 容疑者2:九条
蒼月(そうげつ)
2025年12月12日 13:23 | 105
「あら、次は私? 光栄ね」

九条は、手にしていたグラスをゆっくりと回した。中の琥珀色の液体が、暖炉の炎を吸って妖しく揺らめく。
彼女はふわりと立ち上がると、まるで舞台の中央へ歩み出る女優のように、私の目の前まで滑らかに近づいてきた。濃厚な香水の甘い香りが、現場に漂う鉄錆のような死の匂いを一時的に掻き消す。

「九条さん、単刀直入に伺います。豪田さんとの関係は?」
「『ビジネスパートナー』……とでも言っておきましょうか。彼とは、少々あぶない橋を渡った仲なの」

彼女は意味深に微笑み、私の胸元に細い指を這わせる。その仕草は計算され尽くした演技のようでもあり、天然の魔性のようでもあった。

「犯行時刻はラウンジの隅にあるバーカウンターにいたわ。一人で飲んでいたから証人はいないけれど……その代わり、面白いものを見たわよ」

「面白いもの?」
私が眉をひそめると、彼女は唇に人差し指をあてて、楽しそうに囁いた。

「雪の降る窓の外。真っ暗な闇の中に、人影が立っていたの。……幽霊じゃなければ、この中の誰かが外に出ていた、ということになるわね」

その言葉に、部屋の空気が一瞬にして凍りついた。九条は満足そうに目を細め、グラスを傾けた。
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このパートからの分岐 (1)
容疑者3:毒島

|毒島《ぶすじま》は暖炉から一番遠い窓際に立っていた。 白衣の背中が、吹雪で真っ白になった窓ガラスに...

クロマル クロマル
12/20 08:27
全階層の表示(10件)
第1話 プロローグ クロマル 0 86
・窓の外は、世界を白く塗りつぶす猛吹雪。 山奥に佇むペンション『スノードロップ』の...
第2話 閉ざされた山荘 蒼月(そうげつ) 0 104
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第3話 相馬と鬼頭 クロマル 0 73
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第4話 探偵・相馬 ケンヂ 0 70
・「おい、待てよ」 沈黙を破ったのは、不機嫌そうに紫煙を吐き出していた御子柴だった...
第5話 現場検証 クロマル 0 67
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第6話 微かな手がかり 蒼月(そうげつ) 0 58
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第7話 容疑者1:御子柴 クロマル 0 76
・御子柴は、ラウンジの一番奥にある革張りのソファを陣取っていた。 立ち上る葉巻の煙...
第8話 容疑者2:九条 蒼月(そうげつ) 0 106
・「あら、次は私? 光栄ね」 九条は、手にしていたグラスをゆっくりと回した。中の...
第9話 容疑者3:毒島 クロマル 0 62
・|毒島《ぶすじま》は暖炉から一番遠い窓際に立っていた。 白衣の背中が、吹雪で真っ...
NEW 第10話 容疑者4:鈴木 クロマル 0 21
・鈴木は暖炉の近くに座っていた。 量販店の灰色のスーツ。くたびれたネクタイ。革靴の...
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