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白銀の檻、暖炉の密室

制作者: クロマル
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第3話 相馬と鬼頭
クロマル
2025年11月30日 12:06 | 74
暖炉の炎が、豪田の背中に突き刺さったナイフの柄を鈍く光らせている。私は吸い寄せられるように一歩足を踏み出した。

「そこまでだ、相馬」

太い腕が私の胸の前にヌッと差し出された。鬼頭だ。
暖炉の逆光で、彼の大柄なシルエットがさらに巨大に見える。

「現場保存は鉄則だ。探偵ごっこに付き合ってる暇はないぞ」
「ごっこ、は心外だな。3年前の連続放火事件、警察が行き詰まっていたところを解決に導いたのは誰だった?」

私の言葉に、鬼頭の太い眉がピクリと動いた。 彼は一度大きく息を吐き出し、葉巻の煙のような白いため息を漏らす。

「……お前の勘と推理力が鋭いことは認める。あの時の借りは忘れていない」
鬼頭の声のトーンがわずかに下がった。そこには、かつての戦友に向けるような色が混じっている。 だが、彼はすぐにその腕を下ろすことなく、私を鋭く見据えた。

「だがな、ここは俺の管轄だ。俺は刑事で、お前は民間人だ。この線引きだけは譲れん。馴れ合いで現場を荒らさせるわけにはいかないんだよ」

頑固な男だ。しかし、その実直さが彼という刑事を形作っているのも知っている。 私は両手を挙げて、降参のポーズをとった。

「わかったよ。触りはしない。ただ、遠目から観察するくらいは許してくれ。犯人がこの空間にいる以上、こっちだって自分の身を守るために情報は欲しい」
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このパートからの分岐 (1)
探偵・相馬

「おい、待てよ」 沈黙を破ったのは、不機嫌そうに紫煙を吐き出していた御子柴だった。太い指に挟んだ葉巻...

ケンヂ ケンヂ
12/02 13:47
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第1話 プロローグ クロマル 0 87
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第2話 閉ざされた山荘 蒼月(そうげつ) 0 105
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第3話 相馬と鬼頭 クロマル 0 75
・暖炉の炎が、豪田の背中に突き刺さったナイフの柄を鈍く光らせている。私は吸い寄せら...
第4話 探偵・相馬 ケンヂ 0 70
・「おい、待てよ」 沈黙を破ったのは、不機嫌そうに紫煙を吐き出していた御子柴だった...
第5話 現場検証 クロマル 0 67
・「……派手にやったな」 私は呟きながら、豪田の遺体の横に膝をつく。 床に広がった血...
第6話 微かな手がかり 蒼月(そうげつ) 0 59
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第7話 容疑者1:御子柴 クロマル 0 76
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第8話 容疑者2:九条 蒼月(そうげつ) 0 106
・「あら、次は私? 光栄ね」 九条は、手にしていたグラスをゆっくりと回した。中の...
第9話 容疑者3:毒島 クロマル 0 62
・|毒島《ぶすじま》は暖炉から一番遠い窓際に立っていた。 白衣の背中が、吹雪で真っ...
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