カナトとサンタの村
制作者:
冬至梅
小説設定:
|
連続投稿: 不可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 25話で完結
概要
12月ですので、クリスマスをテーマにした物語を考案してみました。
どうぞお気軽にご参加ください。
【あらすじ】
北極にあるサンタクロースの村。
この年のクリスマス、サンタクロースは世界中の「いい子」のうち三人に届くチケットを作りました。手にした子どもはクリスマスイブにサンタの村に招待され、「その子にとって一番素晴らしいプレゼント」を受け取れるのです。
【主人公】
聖沢カナト:11歳の物静かな少年。両親が離婚調停中で、母親の実家で寂しいクリスマスを迎えようとしている。
どうぞお気軽にご参加ください。
【あらすじ】
北極にあるサンタクロースの村。
この年のクリスマス、サンタクロースは世界中の「いい子」のうち三人に届くチケットを作りました。手にした子どもはクリスマスイブにサンタの村に招待され、「その子にとって一番素晴らしいプレゼント」を受け取れるのです。
【主人公】
聖沢カナト:11歳の物静かな少年。両親が離婚調停中で、母親の実家で寂しいクリスマスを迎えようとしている。
北極の空は、冬の星々が瞬き、ひんやりと透き通っていました。サンタクロースの村では、ふわりと舞い降りる粉雪が灯りに照らされ、金色の粒のようにきらめいています。おもちゃ作りの工房からは、木を削るコンコンという心地よい音、エルフたちの軽やかな足音、そして厩舎からは、時おりトナカイが鼻を鳴らす声が聞こえてきます。木の香りや甘いキャンディの匂いが入り混じり、村中がまるで一つの大きなクリスマス菓子のようでした。エルフたちは色とりどりのリボンを結び、おもちゃを磨き、子どもたちから届いた手紙を一枚ずつ丁寧に仕分けています。
そんなにぎやかな村から少し離れた家の中では、サンタクロースが暖炉のそばの机に向かい、最後の仕上げを終えたところでした。ぱちぱちと音を立てる薪の火が、部屋いっぱいに木の焦げ香を満たしています。机の上には、まるで夜空の光そのものを閉じ込めたような、金色に輝く三枚のチケットがありました。
そこへ、温かい湯気と共に優しいココアの香りが漂ってきました。サンタクロース夫人がマグカップをそっと運び、微笑みながら問いかけます。
「あなた、何かやってるの?」
サンタは白いひげを揺らして微笑み返し、作り終えたばかりの三枚のチケットをそっと掲げました。
「これはね、招待状だよ。世界中の“いい子”のうち三人に届く特別なチケットさ。手にした子どもをクリスマスイブにこの村へ招いて、その子にとって一番素晴らしいプレゼントを、私が直接渡すんだ」
チケットは暖炉の光を受けて、蜂蜜のような輝きをこぼしました。
サンタは数人の信頼するエルフを呼び、慎重に三枚のチケットを託します。外に出ると、裏庭には小さな熱気球がひとつ、雪の上に静かに佇んでいました。エルフたちは胸に抱えたチケットを大切そうに抱え、熱気球へ乗り込みました。バーナーの火がぼうっと温かい音を立てると、熱気球はふわりと浮かび上がり、星明かりの夜空へゆっくりと飛び立っていきました。チケットの光はほのかに温かく、消えることなく輝いていました。
***
──そして、12月20日の日本。
11歳の聖沢カナトは、しんと静まり返った母親の実家の縁側に座り、白い息が淡く立ちのぼるのをぼんやりと見つめていました。両親は離婚調停の最中で、今年の冬休みとクリスマスをここで過ごすことになったのです。乾いた木の香り、遠くから聞こえる風の音、指先に触れる冷たい空気。すべてが、胸の奥にぽつんと空いた寂しさを、よりはっきりと感じさせていました。
そんなにぎやかな村から少し離れた家の中では、サンタクロースが暖炉のそばの机に向かい、最後の仕上げを終えたところでした。ぱちぱちと音を立てる薪の火が、部屋いっぱいに木の焦げ香を満たしています。机の上には、まるで夜空の光そのものを閉じ込めたような、金色に輝く三枚のチケットがありました。
そこへ、温かい湯気と共に優しいココアの香りが漂ってきました。サンタクロース夫人がマグカップをそっと運び、微笑みながら問いかけます。
「あなた、何かやってるの?」
サンタは白いひげを揺らして微笑み返し、作り終えたばかりの三枚のチケットをそっと掲げました。
「これはね、招待状だよ。世界中の“いい子”のうち三人に届く特別なチケットさ。手にした子どもをクリスマスイブにこの村へ招いて、その子にとって一番素晴らしいプレゼントを、私が直接渡すんだ」
チケットは暖炉の光を受けて、蜂蜜のような輝きをこぼしました。
サンタは数人の信頼するエルフを呼び、慎重に三枚のチケットを託します。外に出ると、裏庭には小さな熱気球がひとつ、雪の上に静かに佇んでいました。エルフたちは胸に抱えたチケットを大切そうに抱え、熱気球へ乗り込みました。バーナーの火がぼうっと温かい音を立てると、熱気球はふわりと浮かび上がり、星明かりの夜空へゆっくりと飛び立っていきました。チケットの光はほのかに温かく、消えることなく輝いていました。
***
──そして、12月20日の日本。
11歳の聖沢カナトは、しんと静まり返った母親の実家の縁側に座り、白い息が淡く立ちのぼるのをぼんやりと見つめていました。両親は離婚調停の最中で、今年の冬休みとクリスマスをここで過ごすことになったのです。乾いた木の香り、遠くから聞こえる風の音、指先に触れる冷たい空気。すべてが、胸の奥にぽつんと空いた寂しさを、よりはっきりと感じさせていました。
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