読み込み中...

カナトとサンタの村

制作者: 冬至梅
小説設定: | 連続投稿: 不可 | 投稿権限: 全員 | 完結数: 25話で完結

概要

第2話 空から落ちてきた招待状
あさり
2025年12月08日 16:52 | 66
鉛色の空。
絵の具を水で溶かずにそのまま塗ったような、重たいグレー。
カナトはため息をついた。白く濁った息が、すぐに消えていく。

「……つまんない」

ボソッとつぶやいた時だった。
頭上の雲の切れ間から、キラッと光るものが見えた。
最初は飛行機かと思った。でも、動きが違う。ゆらゆらと、まるで枯れ葉が舞うみたいにゆっくり落ちてくる。
その光は、庭の隅にある柿の木に引っかかった。

カナトはサンダルを突っかけて、庭に降りた。
土は霜柱が立っていて、踏むとザクザクと音がする。
木の枝に挟まっていたのは、金色のカードだった。
背伸びをして、手に取ってみる。

「……うわ、あったかい」

冬の冷たい外気の中で、そこだけカイロみたいに熱を持っていた。
表面には見たことのない文字。でも、なぜか読める。
縁取りは複雑な蔦模様で、真ん中にはソリの絵が描かれている。
紙というより、薄い金属板みたいだ。
角度を変えると、虹色に光が走る。すごく綺麗な細工だ。

「カナト、ご飯だよー」

家の中からおばあちゃんの声がした。
カナトは慌ててそのカードをズボンのポケットに突っ込んだ。
指先に残る温もり。
退屈なグレーの世界に、急に鮮やかな色が落ちてきたみたいだった。
この小説をシェア
このパートからの分岐 (1)
茶色い食卓

家に入ると、台所から煮物の香りがふわりと漂い、カナトはおばあちゃんと無口なおじいちゃんと三人でちゃぶ...

冬至梅 冬至梅
12/08 17:39
全階層の表示(9件)
第1話 三枚のチケット 冬至梅 0 76
・北極の空は、冬の星々が瞬き、ひんやりと透き通っていました。サンタクロースの村では...
第2話 空から落ちてきた招待状 あさり 1 67
・鉛色の空。 絵の具を水で溶かずにそのまま塗ったような、重たいグレー。 カナトはた...
第3話 茶色い食卓 冬至梅 0 57
・家に入ると、台所から煮物の香りがふわりと漂い、カナトはおばあちゃんと無口なおじい...
第4話 期待と希望 あさり 1 62
・「カナト、少し痩せた?」 おばあちゃんが、煮物をお代わりする手を止めて、優しく...
第5話 12月24日の夕方 冬至梅 0 59
・それから三日間はとても静かでした。カナトはこたつに足を入れて冬休みの宿題をしたり...
第6話 星からの迎え 迦楼羅 1 54
・掛け時計の針が、ゆっくりと時を刻んでいました。  カチ、カチ、という乾いた音が...
第7話 エルフ 冬至梅 0 51
・円盤から降り立ったのは、緑色の尖った帽子にギザギザの襟の服、革のベルトと先の尖っ...
第8話 3人の子供たち 蒼月(そうげつ) 1 50
・銀色の円盤は、想像していたような轟音を立てることもなく、滑るように夜空を移動しま...
NEW 第9話 円盤の故障 冬至梅 0 45
・その時でした。円盤が、ふっと重さを失ったように揺れ、ゆっくりと高度を下げ始めたの...
コメント
コメントを投稿するにはログインしてください。

ユーザー登録でみんつぐをもっと楽しもう!

お気に入りの小説の更新通知が届く

フォローした作家の新作をすぐに確認

好きな作品にいいね・コメント

感動を作者に直接届けられる

マイページで投稿を管理

自分の作品やいいねを一覧で確認

小説を書いてリレーに参加

新作を始めたり続きを自由に書ける

気になる作家をフォロー

好きな作家の新作をすぐチェック

分岐ツリーで展開を可視化

ストーリーの分岐を一目で確認

他にもみんつぐを楽しく便利に使う機能が充実!

無料で新規登録

すでにアカウントをお持ちの方は