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カナトとサンタの村

制作者: 冬至梅
小説設定: | 連続投稿: 不可 | 投稿権限: 全員 | 完結数: 25話で完結

概要

第6話 星からの迎え
迦楼羅
2025年12月12日 16:27 | 54
掛け時計の針が、ゆっくりと時を刻んでいました。
 カチ、カチ、という乾いた音が、誰もいない居間に響きます。

 午後7時55分。
 カナトはダウンジャケットを着込み、縁側に出ていました。足元には霜が降りていて、靴の裏からじんわりと冷たさが伝わってきます。
 北極へ行くなんて、やっぱり夢物語かもしれない。
 心のどこかでそう思いながらも、ポケットの中のカードがカイロのように熱を発し続けていることが、カナトをこの場所に留まらせていました。

 やがて、遠くの寺の鐘がゴーンと鳴り響き、午後8時を知らせました。

 その時でした。

 世界から音が消えたような静寂と共に、頭上がふわりと明るくなりました。 カナトが見上げると、夜空の雲が音もなく裂け、そこから青白い光の柱が真っ直ぐに庭へと降りてきました。

 光の中を、何かがゆっくりと降りてきました。 滑らかな流線型をした、銀色の円盤のような乗り物。金属のようでいて、シャボン玉のように透き通っても見えます。 乗り物は静かに、カナトの目の前の畑にふわりと着陸しました。

「ゆ…UFO?」

 カナトは呆気にとられ、白い息を漏らしました。 サンタクロースが来るはずではなかったのか。銀色の船の一部が、音もなく開きました。中から眩しいほどの光が漏れ出し、 そして、一人の人物が姿を現しました。
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このパートからの分岐 (1)
エルフ

円盤から降り立ったのは、緑色の尖った帽子にギザギザの襟の服、革のベルトと先の尖った靴を身につけた、小...

冬至梅 冬至梅
12/12 23:30
全階層の表示(9件)
第1話 三枚のチケット 冬至梅 0 76
・北極の空は、冬の星々が瞬き、ひんやりと透き通っていました。サンタクロースの村では...
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第4話 期待と希望 あさり 1 63
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第5話 12月24日の夕方 冬至梅 0 59
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第6話 星からの迎え 迦楼羅 1 55
・掛け時計の針が、ゆっくりと時を刻んでいました。  カチ、カチ、という乾いた音が...
第7話 エルフ 冬至梅 0 51
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第8話 3人の子供たち 蒼月(そうげつ) 1 50
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