社畜だった俺が異世界で温泉宿を始めたら、なぜか女神と魔王が常連客になりました
制作者:
Zelt
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
概要
■登場人物
・主人公(元社畜)平穏な第二の人生を送りたいが、なぜかトラブル体質。現在は《ゆのや》の店長。
・ユノ(温泉の女神)金髪・白いワンピース・背中に小さな羽。儚げな微笑みが印象的。実はかなりの自由人で、細かいことは全部人任せ。
・魔王(魔王さま)漆黒のローブ・美しい容貌・角が生えている。強大な魔族の王だが、部下が不甲斐なくて常に疲れてる。意外と庶民的。
・勇者 魔王を倒すために旅に出てる勇者。成長途上で魔王四天王に苦戦してる。
・ヴァルキリー(戦乙女) ヴァルシア。燃えるような赤い髪。銀色の鎧。白銀の翼。巨大な槍を持つ。美しいが男勝りの性格
・セレーネ(月と癒やしの女神)銀色の長い髪を持つ美女。満月に近い日は元気だが、新月に近づくごとに寝る時間が増える。
・主人公(元社畜)平穏な第二の人生を送りたいが、なぜかトラブル体質。現在は《ゆのや》の店長。
・ユノ(温泉の女神)金髪・白いワンピース・背中に小さな羽。儚げな微笑みが印象的。実はかなりの自由人で、細かいことは全部人任せ。
・魔王(魔王さま)漆黒のローブ・美しい容貌・角が生えている。強大な魔族の王だが、部下が不甲斐なくて常に疲れてる。意外と庶民的。
・勇者 魔王を倒すために旅に出てる勇者。成長途上で魔王四天王に苦戦してる。
・ヴァルキリー(戦乙女) ヴァルシア。燃えるような赤い髪。銀色の鎧。白銀の翼。巨大な槍を持つ。美しいが男勝りの性格
・セレーネ(月と癒やしの女神)銀色の長い髪を持つ美女。満月に近い日は元気だが、新月に近づくごとに寝る時間が増える。
勇者が湯殿に消えてから、まだ五分も経ってない。
なのに。
なのに!
玄関のほうから、聞きたくなかった「あの声」がした。
「ふぅ……今日も肩が痛いわ。癒されに来たのだけれど——入ってもいいかしら?」
「来たぁぁぁぁぁ!!」
俺は思わず床の上でのたうち回りそうになった。
魔王。よりによって今日。
よりによって、勇者が湯に浸かってる今日!!!!
(終わった……《ゆのや》、今日で爆散する……!)
玄関を見ると、漆黒のローブがゆらりと揺れる。
魔王さまは完全に常連の顔で、靴を脱ぎ始めている。
「ちょ、ちょっと待ってください魔王さま!!
き、今日は……その……臨時休湯で!」
「え? なんでよ?」
魔王さまが美しい眉をひそめる。心なしか大気の温度が下がった気がする。
(やべぇ、機嫌悪くなってる。機嫌悪くすると城ひっくり返すタイプだコレ)
「いや、その……湯が……爆発しそうで……」
「爆発? 温泉が?」
「……はい……」
苦しい。あまりにも苦しい嘘だ。
でも仕方がない! 湯殿には勇者がいるんだ!
魔王が湯に向かったら、絶対鉢合わせする。
鉢合わせしたら、戦争だ。
戦争になったら、俺の宿が消し飛ぶ!!
「へぇ……爆発ねぇ……」
魔王さまは腕を組んで、ジロッと俺を見た。
「……あなた、何か隠してない?」
「な、なにも!」
「ふぅん……」
魔王さまが一歩、宿の中へ踏み出した。
そのとき——
「店長ーっ!
湯の温度、完璧に仕上がりましたよー!」
奥からユノが、ご機嫌に走ってきた。
やめろ!!!
その完璧なお湯の宣言は今だけはダメだ!!!!
「ちょ、ユノ! 今は——」
「あれ? 魔王さんもいらしてるんですか? ちょうどいいタイミングですよ!
今日は特に癒し成分MAXですから!」
「あら、そうなの?」
「(オイィィィィィィ!!)」
俺はもう土下座しそうな勢いで、ユノを睨んだ。
でもユノはにこにこと手を打ち鳴らす。
「ささ! 魔王さん! どうぞどうぞ!」
魔王さまはローブをひらりと翻し、湯殿へ向かおうとする。
(終わった……! 勇者と魔王が同じ湯に……!)
俺は震える指で、最後の手段をとった。
「ま、魔王さまぁぁぁ!!!!」
「なによ、その声は」
「せっかくのご来店ですが……今日は!!
スペシャルマッサージが無料となっております!!」
「……スペシャルマッサージ?」
魔王さまはピタッと止まる。
「ええ、はい! 普通のマッサージの10倍の効果で!肩こりに……すごく、効きます!!
湯よりも! すさまじく!」
「そんなに?」
(頼む……釣られてくれーー!)
「……じゃあ、受けるわ」
(助かったぁぁぁぁ!!)
俺は心の中でガッツポーズした。
ユノはぽかんとしているが関係ない。
「では! こちらの——湯殿とは完全に別の部屋へ!」
「別って……ずいぶん必死ね?」
「ちちち違います!! 気のせいです!!」
◆◆◆
一方そのころ。
湯殿では。
「ふぅ……この湯……すごい……。まるで天国みたいだ……」
勇者は完全にリラックスしていた。
命の危機を感じるほどの快楽に包まれ、目を細めて湯に浸かる。
(まさか二分後に魔王が来てたなんて、このとき彼は知らない——)
◆◆◆
そしてロビーでは。
「店長……あなた、必死すぎでは?」
「うるさい! ユノが余計なことするからだろ!!」
「えぇぇ……私、良いことしたはずなんですけど……」
「良いことじゃねぇ!!!
勇者と魔王が同じ日、同じ時間に来るなんて聞いてねぇよ!!」
「えへへ……偶然ってすごいですね♪」
「笑うな!!!!!」
俺は頭を抱えた。
でも魔王はマッサージで引き留めた。
勇者は湯に浸かってる。
今のところは……ギリギリセーフだ。
「……で、店長」
ユノが俺の耳元でひそひそ言った。
「勇者さん……『また来たい』って言ってましたよ?」
「は?」
「『ここ、常連になりたいな』って」
「…………」
「良かったですね、店長。お客さんが増えますよ♪」
「増えていい客と、増えちゃダメな客がいるんだよ!!!!」
俺の悲鳴は今日も、湯けむりに吸い込まれていった——。
なのに。
なのに!
玄関のほうから、聞きたくなかった「あの声」がした。
「ふぅ……今日も肩が痛いわ。癒されに来たのだけれど——入ってもいいかしら?」
「来たぁぁぁぁぁ!!」
俺は思わず床の上でのたうち回りそうになった。
魔王。よりによって今日。
よりによって、勇者が湯に浸かってる今日!!!!
(終わった……《ゆのや》、今日で爆散する……!)
玄関を見ると、漆黒のローブがゆらりと揺れる。
魔王さまは完全に常連の顔で、靴を脱ぎ始めている。
「ちょ、ちょっと待ってください魔王さま!!
き、今日は……その……臨時休湯で!」
「え? なんでよ?」
魔王さまが美しい眉をひそめる。心なしか大気の温度が下がった気がする。
(やべぇ、機嫌悪くなってる。機嫌悪くすると城ひっくり返すタイプだコレ)
「いや、その……湯が……爆発しそうで……」
「爆発? 温泉が?」
「……はい……」
苦しい。あまりにも苦しい嘘だ。
でも仕方がない! 湯殿には勇者がいるんだ!
魔王が湯に向かったら、絶対鉢合わせする。
鉢合わせしたら、戦争だ。
戦争になったら、俺の宿が消し飛ぶ!!
「へぇ……爆発ねぇ……」
魔王さまは腕を組んで、ジロッと俺を見た。
「……あなた、何か隠してない?」
「な、なにも!」
「ふぅん……」
魔王さまが一歩、宿の中へ踏み出した。
そのとき——
「店長ーっ!
湯の温度、完璧に仕上がりましたよー!」
奥からユノが、ご機嫌に走ってきた。
やめろ!!!
その完璧なお湯の宣言は今だけはダメだ!!!!
「ちょ、ユノ! 今は——」
「あれ? 魔王さんもいらしてるんですか? ちょうどいいタイミングですよ!
今日は特に癒し成分MAXですから!」
「あら、そうなの?」
「(オイィィィィィィ!!)」
俺はもう土下座しそうな勢いで、ユノを睨んだ。
でもユノはにこにこと手を打ち鳴らす。
「ささ! 魔王さん! どうぞどうぞ!」
魔王さまはローブをひらりと翻し、湯殿へ向かおうとする。
(終わった……! 勇者と魔王が同じ湯に……!)
俺は震える指で、最後の手段をとった。
「ま、魔王さまぁぁぁ!!!!」
「なによ、その声は」
「せっかくのご来店ですが……今日は!!
スペシャルマッサージが無料となっております!!」
「……スペシャルマッサージ?」
魔王さまはピタッと止まる。
「ええ、はい! 普通のマッサージの10倍の効果で!肩こりに……すごく、効きます!!
湯よりも! すさまじく!」
「そんなに?」
(頼む……釣られてくれーー!)
「……じゃあ、受けるわ」
(助かったぁぁぁぁ!!)
俺は心の中でガッツポーズした。
ユノはぽかんとしているが関係ない。
「では! こちらの——湯殿とは完全に別の部屋へ!」
「別って……ずいぶん必死ね?」
「ちちち違います!! 気のせいです!!」
◆◆◆
一方そのころ。
湯殿では。
「ふぅ……この湯……すごい……。まるで天国みたいだ……」
勇者は完全にリラックスしていた。
命の危機を感じるほどの快楽に包まれ、目を細めて湯に浸かる。
(まさか二分後に魔王が来てたなんて、このとき彼は知らない——)
◆◆◆
そしてロビーでは。
「店長……あなた、必死すぎでは?」
「うるさい! ユノが余計なことするからだろ!!」
「えぇぇ……私、良いことしたはずなんですけど……」
「良いことじゃねぇ!!!
勇者と魔王が同じ日、同じ時間に来るなんて聞いてねぇよ!!」
「えへへ……偶然ってすごいですね♪」
「笑うな!!!!!」
俺は頭を抱えた。
でも魔王はマッサージで引き留めた。
勇者は湯に浸かってる。
今のところは……ギリギリセーフだ。
「……で、店長」
ユノが俺の耳元でひそひそ言った。
「勇者さん……『また来たい』って言ってましたよ?」
「は?」
「『ここ、常連になりたいな』って」
「…………」
「良かったですね、店長。お客さんが増えますよ♪」
「増えていい客と、増えちゃダメな客がいるんだよ!!!!」
俺の悲鳴は今日も、湯けむりに吸い込まれていった——。
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