キング オブ バトル

制作者: クロマル ラノベ風
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第6話 覚醒の刻
クロマル
2025年11月27日 15:42 | 12
「……ふっ。この技を見せるのはお前で二人目だ。誇るがいい」

迅が呟く。その瞬間、リング内の空気がピリリと張り詰めた。
まるで冷凍庫を開けた時みたいに、白い冷気が迅の足元から広がっていく。

豪田「あぁ? なんだぁ?」

豪田の体から立ち昇っていた湯気が、一瞬で冷えて消えた。
迅は構えを低くする。無駄な動きが一切ない、陸上選手のようなクラウチングスタートの姿勢。
ただ、その瞳だけが静かに、鋭く光っている。

迅「教えよう。俺の計算ロジックが導き出した、最速の答えを」

観客「おい、なんか空気が変わったぞ!?」
観客「あいつ、まだ奥の手隠してやがったのか!?」

豪田「御託はいいんだよ! パワーで押し潰してやる! オラァァァ!!」

豪田が地面を蹴る。戦車みたいな突進だ。
剛腕が迅の頭を狙って振り下ろされる――はずだった。

ヒュンッ!

風を切る音だけが響く。
豪田の拳は空を切った。いや、迅の体をすり抜けた?

豪田「な、なにぃーーーー!!? 残像だとっ!?」

迅の声が、背後から聞こえる。いや、右から? 左から?

迅「遅いな。その拳が届く頃には、俺はもうそこにはいない」

リング上に、迅が一人、二人、三人……十人!?
分身だ。ただの高速移動じゃない。あまりの速さに網膜が追いつかなくて、まるでそこに実体があるみたいに見える!

豪田「ぐっ、まさか…貴様…!」

迅「(……姉さん、見ていてくれ。これが俺の、今の全速力だ)」

迅の姿がブレて、無数の影が一斉に豪田に襲いかかる。

迅「秘奥義・氷狼幻影殺ファントム・ウルフ・ミラージュ!!!!!」

ドカバキグシャアアアアアッ!!!!

無数の打撃音が重なって、一つの轟音になった!
豪田の巨体が、まるでサンドバッグみたいに四方八方からボコボコに殴られる!

豪田「ぐわあああああああっ!!??」

観客「ば、ばかなっっっ!!!」
観客「見えねぇ! 速すぎて何も見えねぇぞ!!」

一秒間に百発。いや、千発か!?
全方位からの猛攻を受け、豪田の体がついに宙に浮く。
逃げ場なしの空中コンボ!

迅「終わりだ……沈め!!」

最後の一撃。迅の実体が、豪田の鳩尾みぞおちの真ん前に現れる。
踏み込みの衝撃で床が割れる。
全体重とスピードを乗せた、渾身の掌底!

迅「氷結・砕魂撃ソウル・クラッシュ・フリーズッ!!」

ズドォォォォォン!!!!!

豪田の巨体が弾丸のように吹き飛び、反対側のコンクリート壁にめり込んだ!
壁に蜘蛛の巣状の亀裂が走り、土煙がモクモクと舞い上がる。

シーン……。

会場が静まり返る。
迅は、乱れたジャケットの襟をパパンと払って、冷たく言い放った。

迅「……悪いが、今の俺は誰にも止められない」

司会者「……」
司会者「しょ、勝負ありぃぃぃぃぃ!? まさかの秒殺!? あの豪田鋼牙が、壁のシミになっちまったぁぁぁぁ!!」

観客「うおおおおおおおお!!!」
観客「すげぇぇぇ! なんだ今の技!!」

しかし。
土煙の奥から、不気味な笑い声が聞こえてきた。

「……ククク。……効いたぜ。さすがは天才だ」

壁にめり込んだまま、豪田が笑っている。
その体から、赤いオーラのようなものがメラメラと立ち昇り始めた。

豪田「だがなぁ……それがお前の全力か?」

迅「……!?」

豪田「俺の筋肉マッスルは……まだ悲鳴を上げてねぇんだよぉぉぉぉ!!!」

バリバリバリッ!

豪田が壁から強引に抜け出す。その胸には、くっきりと迅の掌底の跡がついているが……倒れていない。
むしろ、さっきよりも楽しそうだ。

豪田「礼を言うぜ、氷室 迅。お前のおかげで……俺も覚醒めざめちまったみたいだ!」

豪田の瞳が、獣のように赤く輝く。
筋肉がさらに膨れ上がり、着ていたタンクトップがビリビリに破け飛んだ!

豪田「見せてやるよ! これが…全てを無に帰す、破壊神デストロイヤーの力だッ!!!」
この小説をシェア
感想
感想を投稿するにはログインしてください。

ユーザー登録でみんつぐをもっと楽しもう!

お気に入りの小説の更新通知が届く

フォローした作家の新作をすぐに確認

好きな作品にいいね・コメント

感動を作者に直接届けられる

マイページで投稿を管理

自分の作品やいいねを一覧で確認

小説を書いてリレーに参加

新作を始めたり続きを自由に書ける

気になる作家をフォロー

好きな作家の新作をすぐチェック

分岐ツリーで展開を可視化

ストーリーの分岐を一目で確認

他にもみんつぐを楽しく便利に使う機能が充実!

無料で新規登録

すでにアカウントをお持ちの方は ログイン