キング オブ バトル

制作者: クロマル ラノベ風
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 暴力描写

概要

第2話 氷刃、疾る
クロマル
2025年11月09日 12:25
ゴングの余韻。

しん、と静まり返る。 いや、観客は叫んでる。 でも、二人には届いてない。

先に動いたのは、剛——豪田 鋼牙。

「オラァァァァァッ!!」

地響き。 コンクリートを踏み抜く勢い。 巨体が、弾丸みたいに突込む。

赤いタンクトップが風圧で膨らむ。 デカい拳。

迅、動かない。 青い瞳が、拳の軌道を見つめてる。

スレスレ。 顔の皮膚が、風圧で揺れる。

「!」

迅、いない。 黒いジャケットの残像だけ。

鋼牙「……チッ」

観客「き、消えた!?」 観客「バカ!後ろだ!」

迅、鋼牙の真後ろに立ってる。 いつの間に。

鋼牙「逃げ足だけかよ、天才さん!」

振り返りざま、剛腕が唸る。 ブンッ!

迅、頭を下げる。 鋼牙の腕が、迅の髪を数本、ちぎった。

「オラ!」「オラ!」「オラァ!」

ラッシュ。ラッシュ。ラッシュ。 力の奔流。

迅、すべて避ける。 最小限の動き。 まるで、激しい風雨の中を、濡れずに歩くみたいに。

観客「……な、なんだありゃ」 観客「かすりもしねぇ……!」

鋼牙の拳が、一瞬だけ、止まる。 コンマ一秒。

迅「……終わりか?」

鋼牙「なっ……!」

迅、踏み込む。 鋼牙の懐。 そこは、近すぎて拳が打てない死角ブラインド

刃のような、鋭い蹴り。 鋼牙の巨体を狙うんじゃない。

ピンポイント。

鋼牙の左膝。その、関節の隙間。

ゴッ!!

鈍い音。

鋼牙「ぐ……ぉ……っ!?」

鋼鉄の巨体が、初めてぐらつく。 片膝が、コンクリートに落ち——

いや、耐えた。

鋼牙、傷だらけの腕で、膝を押さえる。

迅、もう三メートル後ろ。 定位置。 表情、なし。

観客「……」 観客「……お、おおおおおおお!!!」 観客「あ、あの豪田 鋼牙が!?」

鋼牙、ゆっくりと顔を上げる。 鋭い目が、カッと見開かれる。

鋼牙「……ハッ。面白い……!面白いじゃねぇか、氷室 迅……!!」
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第三話 反撃の剛拳

迅、クールな表情のまま。 三メートル離れた位置で、ゆっくりと構えを解く。 迅「……終わりか? 立てるか...

クロマル クロマル
11/11 13:04
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迅、クールな表情のまま。 三メートル離れた位置で、ゆっくりと構えを解く。 迅「……終わりか? 立てるか...

クロマル 0

ガシャァン……! 歪んだ鉄柵。 叩きつけられた迅が、ゆっくりと顔を上げる。 その口元が……吊り上がった...

クロマル 0

鋼牙「ハッ……どうした? 天才さん。その程度か?」 鋼牙が煽る。鋼牙の「剛」の力。 それは、迅が最も嫌...

クロマル 0
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