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その時、〇〇がこう言った

制作者: さんぽ
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第3話 確実に二次創作
さんぽ
2025年12月25日 13:16 | 36
「大丈夫よ――世界が終わる前に、私が全部の最終回を書いてあげる。作者が死んでも、物語は死なないんだから」

霧島は、思わず間抜けな顔で彼女を見た。

「……は?」

冬月マヤは、まるで雨宿りでもするかのように、崩れかけた街灯の下に腰を下ろした。
コンビニ袋から取り出したのは、少し角の折れたノートと、ボールペン一本。

「私ね、書店員なの。売るだけじゃなくて、読むのも、考えるのも、ずっとやってきた」

ペン先を軽く鳴らしながら、彼女は言う。

「結末が来ない物語を何百冊も見送ってきた。そのたびに思ってたのよ。――もし終わらないなら、自分で終わらせればいいじゃない、って」

空が軋み、概念の波がビルの輪郭を溶かし始める。
世界は、確実に終わりへ向かっていた。

「ONEーーーの最終回はね」

マヤはノートを開き、さらりと書き出す。

「財宝が何かじゃなくて、なぜ旅をしたのかに答える話よ」

霧島が息を呑む。
あまりにありきたりだ。

「ーー君は、大人に戻る。でもね――」

ペンが走る。

「それ以上に大事なのは、子供のまま守ったものなの」

言葉が、世界に重さを持ち始めていた。
崩れていた瓦礫がわずかに静止する。
裂けていた空の亀裂が、ほんの一瞬、縫い合わされたように見えた。

「……おい」

霧島の声が震える。

「一体なにが…」

マヤは顔を上げ、少し困ったように笑った。

「物語を信じて生きてきた人間が、最後にできる抵抗は、これだけなの」

概念の波が二人のすぐ背後まで迫る。
マヤは、最後にノートの余白にこう書いた。

――世界は、読まれることで続く。

そして、霧島の方を見て、静かに告げた。

「ねえ、次はあなたの番よ。あなたの人生の最終回、どう終わらせたい?」

その時、霧島はこう言った。
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このパートからの分岐 (1)
最後に残るもの

「俺の……俺の最終回?……そんなの、わかんねぇよ」 霧島は、その言葉を口の中で転がすように繰り返した。...

クロマル クロマル
12/26 14:06
全階層の表示(11件)
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第3話 確実に二次創作 さんぽ 0 37
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