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その時、〇〇がこう言った

制作者: さんぽ
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概要

第6話 待て
さんぽ
2026年01月02日 08:56 | 37
「待て」

たった二文字。
だが、その瞬間。

世界が本気で困惑した。

空に走っていた亀裂が、ぎぎ、と不自然な音を立てて停止する。
概念の波は急ブレーキをかけたみたいに前のめりになり、街の時間が半拍、遅れた。

「……は?」

猫が固まった。

「いやいやいや、ちょっと待てはこっちの台詞だ無職!
最終回の一行目が“待て”ってどういう構成だ!
編集会議通らねぇぞ!!」

霧島はペンを走らせながら言い返す。

「だってよ、ずっと誰かに言われ続けてきたんだよ。急げ、決めろ、もう遅いって」

ノートに文字が増えていく。

――待て。

まだ終わってない。確認不足だ。
マヤが息を呑んだ。

「……それ、人生に向けたリトライコマンド……」
「そうだ」

霧島は顔を上げ、笑った。

「俺はずっと、自分を強制終了させる側だった。
でもな――」

ペン先が、紙を強く叩く。

「デバッグ前に電源落とすなって、プログラマーとして一番嫌いなやつなんだよ!!」

《SYSTEM WARNING》
《PROTAGONIST ISSUED SELF-DEBUG COMMAND》

空に、赤い警告ログが滝のように流れ出す。

猫が悲鳴を上げた。

「やめろォォ!!
自己参照型修正は世界線が壊れる!!
それをやると物語が“生き物”になる!!」

「上等だ!」

霧島はノートを掲げた。

「俺の最終回はこれだ!」

そして――震える声でも、逃げずに。

その時、霧島はこう言った。
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このパートからの分岐 (1)
朝焼け

「この物語の続きは、俺が死ぬまで『未完』のままだ!」 霧島が叫んだ言葉は、裂けた空に吸い込まれるこ...

クロマル クロマル
01/03 10:40
全階層の表示(11件)
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