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その時、〇〇がこう言った

制作者: さんぽ
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員

概要

第7話 朝焼け
クロマル
2026年01月03日 10:40 | 28
「この物語の続きは、俺が死ぬまで『未完』のままだ!」

霧島が叫んだ言葉は、裂けた空に吸い込まれることもなく、そこにある自販機の無機質な音に混ざって消えていった。
赤い警告ログが雨のように降り注ぐ中、霧島は自分の手がひどく震えていることに気づく。それは恐怖ではなく、何年も忘れていた、何かをやり遂げようとする時の高揚感だった。

「……ふふ、格好いいじゃない」

隣で冬月マヤが、小さく喉を鳴らして笑った。彼女はボロボロのノートを胸に抱きしめ、まるで長年の読書を終えた後のような、満ち足りた目をしている。

「人生を『未完』のままにするなんて。一番贅沢な抵抗ね」

マヤの言葉に、霧島は照れ隠しに空き缶を蹴飛ばした。乾いた音がアスファルトに響き、それが現実の音であることを教えてくれる。

空の亀裂がゆっくりと閉じ始め、代わりに柔らかな光が漏れ出してきた。それは「概念」なんて難しい言葉では言い表せない、ただの朝日だった。 世界が終わるはずだった朝に、新しい日が始まろうとしている。

猫は霧島の肩から飛び降りると、欠伸をして尻尾を振った。

「まあ、及第点だな。美しい物語とまではいかないが、泥臭い執着はシステムの演算を狂わせるには十分だ。さて、メモリの書き換えが始まるぞ」

マヤは少し引きずっている足で、一歩、霧島に歩み寄った。彼女の紺色のエプロンについた土の匂いや、微かな古書の香りが鼻をくすぐる。 霧島はふと思った。もし明日が来るなら、この人と何を話そうか。

「冬月さん。世界が続くなら……俺、あんたの書店の常連になるよ。漫画の続き、入荷したら教えてくれ」

マヤは目を細め、いたずらっぽく笑った。

「あら、うちは予約でいっぱいよ? それに、最終回は自分で書くって決めたんでしょ?」

そんな取り留めのない会話が、今は何よりも温かい。
街の輪郭が、まばゆい白光に包まれていく。すべてが再構成される音。その中で、霧島の耳に聞き慣れない音が届いた。

それは、止まっていたはずの駅の改札機が、軽快な電子音を鳴らした音だった。 向こう側から、誰かが猛スピードで走ってくる。

そして――その時、駆け寄ってきた謎の女子高生はこう言った。
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このパートからの分岐 (1)
考察勢

「すみませーん! その未完宣言、さっきからトレンド一位なんですけど!!」 息を切らして駆け寄ってき...

さんぽ さんぽ
01/04 13:23
全階層の表示(11件)
第1話 世界が終わる三分前 さんぽ 0 54
・世界が終わる三分前、駅前の自販機だけが普通に稼働していた。 赤く光る「つめた〜い...
第2話 あれを見ずには終われない 蒼月(そうげつ) 0 44
・「ONE PIECEの最終回、読みたかったなぁぁぁぁ!!」 その声は、轟音を立てて崩れ...
第3話 確実に二次創作 さんぽ 0 36
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第4話 最後に残るもの クロマル 0 33
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第5話 デバッグ作業は猫の手も借りたい ケンヂ 0 34
・「おい、そこの無職。貴様の人生、デバッグしてやろうか?」 猫は、鳴き声の代わり...
第6話 待て さんぽ 0 37
・「待て」 たった二文字。 だが、その瞬間。 世界が本気で困惑した。 空に走...
第7話 朝焼け クロマル 0 29
・「この物語の続きは、俺が死ぬまで『未完』のままだ!」 霧島が叫んだ言葉は、裂け...
第8話 考察勢 さんぽ 0 32
・「すみませーん! その未完宣言、さっきからトレンド一位なんですけど!!」 息を...
第9話 伏線は、あなた自身 蒼月(そうげつ) 0 17
・「――あるわよ、伏線」 マヤは静かに微笑んだ。その笑顔には、長年本を読み続けてき...
NEW 第10話 未完という名の続き ケンヂ 0 14
・「「終わらせなくていい」」 二人の声が重なった。 猫が目を見開く。女子高生がス...
第5話 猫の手を借りた さんぽ 0 28
・「……その原稿、まだ第一稿だろ。オチ弱いから書き直し」 世界が止まった。 霧島...
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