童話異聞録その1「浦島太郎」

制作者: A5 二次創作
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 完結数: 10話で完結

概要

第1話 助けた亀は…
A5
A5
2025年10月29日 12:57
昔々あるところに、浦島太郎という若い漁師が住んでおりました。

浦島太郎は、熱い日差しの中、浜辺を歩いていた。
特別に働き者というわけでもなく、他にすることもなかったからブラブラと浜辺を歩いていたのだ。

太陽は真上でじりじりと肌を焦がすようであり、潮の匂いが鼻をついた。
「……退屈だなぁ」
誰に言うでもなく呟き、砂浜に視線を落とした。

その時であった。
少し先で、聞き慣れたがやがやと騒ぐ声がした。
近所のわらべたちが集まって何かを囲んでいた。
「どうだ、どうだ!」「ひっくり返せ!」
楽しそうな、それでいて少し意地の悪そうな声。

「おい、こら!」
太郎が声をかけると、童たちはびくりと肩を震わせた。
「た、太郎さん...」
「またお前たちか。何をいじめているんだ」
やれやれ、とため息まじりに近づくと、童たちの輪の中心が見えた。

「おや?」
太郎は思わず眉をひそめた。
そこにいたのは、亀であった。
だが、ひっくり返されてじたばたしているそいつは、どうにも妙なものであった。

「...ちっさ」

童たちを適当に追い払った後、太郎はそいつを手のひらに乗せた。
甲羅は鮮やかな緑色で、池や川などでよく見かける亀だ。

どう見ても、海の亀ではないなぁ。
なんというか、これはミドリガメではないか?

「なんでお前がこのようなところにいるんだ...」
ミドリガメは、小さな黒い瞳で、じっと太郎を見つめていた。
まるで何か言いたげであった。
この小説をシェア
このパートからの分岐 (1)
喋るミドリガメ、その名はカメーリア

太郎は手のひらの上の小さな亀を、じーっと見ていた。 (これ、どう見てもミドリガメだよな...。祭りのや...

蒼月(そうげつ) 蒼月(そうげつ)
10/30 11:33
ストーリーツリー(階層表示)
パートをクリックして分岐を展開/縮小できます。階層構造が一目でわかります。

太郎は手のひらの上の小さな亀を、じーっと見ていた。 (これ、どう見てもミドリガメだよな...。祭りのや...

蒼月(そうげつ) 0

太郎は波打ち際までやって来た。 手のひらの上で、カメーリアは目を輝かせている。 「おお...。海じゃ...

クロマル 1

「しっかり掴まっておれよ」カメーリアの言葉を合図に、甲羅の輝きが極限まで高まった。 太郎の視界が、光...

ケンヂ 0

乙姫の部屋を出ると、カメーリアが太郎の肩に飛び乗ってきた。 「さあさあ、貴様を歓迎する宴の準備が整...

蒼月(そうげつ) 0
マウスドラッグで移動、スクロールでズーム | ノードクリック:パート詳細へ | +/-ボタン:展開/折りたたみ
感想
感想を投稿するにはログインしてください。

ユーザー登録でみんつぐをもっと楽しもう!

お気に入りの小説の更新通知が届く

フォローした作家の新作をすぐに確認

好きな作品にいいね・コメント

感動を作者に直接届けられる

マイページで投稿を管理

自分の作品やいいねを一覧で確認

小説を書いてリレーに参加

新作を始めたり続きを自由に書ける

気になる作家をフォロー

好きな作家の新作をすぐチェック

分岐ツリーで展開を可視化

ストーリーの分岐を一目で確認

他にもみんつぐを楽しく便利に使う機能が充実!

無料で新規登録

すでにアカウントをお持ちの方は ログイン