童話異聞録「浦島太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 10話で完結
概要
「浦島太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、10話完結でやってみようかと思います。
とりあえず、10話完結でやってみようかと思います。
「飛び込め、太郎!」
カメーリアの叫びと共に、私たちはドックの縁から暗い海水へと身を投げた。 冷たい水が全身を包み込む。息ができない恐怖よりも、背後に迫る乙姫の追手への恐怖が勝っていた。
その瞬間、眩い緑の光が海中を照らし出した。
ゴオオオオオオ……!
水の振動が肌に伝わる。光の中から現れたのは、あの巨大な『海戦用ボディ』だった。 金属のように輝く甲羅、鋭い眼光。けれど、その目は私を優しく見下ろしていた。
「乗れ! 舌を噛むでないぞ!」
カメーリアの野太い声が頭に直接響く。私は必死で甲羅にしがみついた。 その背中は、鋼鉄のように硬いけれど、どこか温かかった。
「逃がすな! 撃てッ!」
背後から、無機質な指令が聞こえた。 振り返ると、ドームのハッチから無数の黒い影が飛び出してくるのが見えた。乙姫の親衛隊だ。彼らが乗っているのもまた、流線型の鋭いマシン──いや、武装したサメのような生体兵器だった。
ズドン! ズドン!
熱線のような光の矢が、私たちの横を掠めていく。 水中で爆発が起き、激しい水流が私を振り落とそうとする。
「くっ、しつこい奴らめ!」
カメーリアが巨体を翻す。 まるで戦闘機のような機動だ。上下左右、複雑な軌道を描きながら、迫りくる光弾を紙一重で回避していく。 私は甲羅の窪みに体を埋め、振り落とされないように指が白くなるほど力を込めた。
「しっかり掴まっておれ! 『海流ジェット』全開じゃ!」
カメーリアの足元から、青白い噴流がほとばしる。 加速。 景色が線になって後ろへ流れていく。
「逃がしませんよ……!」
通信機を通したような、乙姫の冷徹な声が海中に響いた。 前方から、巨大な壁のように展開する親衛隊の群れ。四方八方からの集中砲火。
「どけえええええッ!」
カメーリアが咆哮する。 緑のバリアのような光が甲羅を覆った。真正面から敵の群れに突っ込む。 衝撃。火花。 敵の機体が弾き飛ばされ、私たちは包囲網を突破した。
「やったか……?」
私が顔を上げた、その時だった。
「甘い」
ドームの頂上付近、巨大な砲台がこちらを狙っていた。 エネルギーが充填される不気味な高音。
「いかん……!」
カメーリアが、咄嗟に体勢を変えた。 太郎を庇うように。背中を、敵の砲口に晒して。
ドォォォォォォォン!!
海全体が震えるような轟音。 極太の光の柱が、カメーリアの横っ腹を直撃した。
「ぐああああああッ!」
「カメーリア!!」
悲痛な叫び声と共に、カメーリアのバランスが崩れる。 それでも、推進力は止めなかった。
「止まるな……止まれば、終わる……!」
苦しげな声。でも、その意志は鋼のように強かった。 傷ついた体を引きずりながら、カメーリアは海面を目指す。 頭上に、太陽の光が揺らめいているのが見えた。 あそこまで行けば。あそこまで行けば、太郎たちの世界だ。
「うおおおおおおおおッ!」
最後の力を振り絞り、カメーリアが海面を突き破る。
ザパァァァァァァァン!!
水しぶきと共に、私たちは空へと舞い上がった。 青い空。白い雲。 懐かしい、潮の匂い。
そのまま勢いに任せて、私たちは砂浜へと滑り込んだ。 ズザザザザ……と砂を巻き上げ、ようやく止まる。
「はぁ、はぁ……」
私は震える足で、砂の上に降り立った。 ここは、物語の始まりの場所。あの浜辺だ。
「カメーリア、大丈夫か!?」
慌てて振り返る。 そこにはもう、巨大な怪獣の姿はなかった。 砂の上に、ポツンと。 手のひらサイズの、そして傷だらけの小さなミドリガメが転がっていた。
カメーリアの叫びと共に、私たちはドックの縁から暗い海水へと身を投げた。 冷たい水が全身を包み込む。息ができない恐怖よりも、背後に迫る乙姫の追手への恐怖が勝っていた。
その瞬間、眩い緑の光が海中を照らし出した。
ゴオオオオオオ……!
水の振動が肌に伝わる。光の中から現れたのは、あの巨大な『海戦用ボディ』だった。 金属のように輝く甲羅、鋭い眼光。けれど、その目は私を優しく見下ろしていた。
「乗れ! 舌を噛むでないぞ!」
カメーリアの野太い声が頭に直接響く。私は必死で甲羅にしがみついた。 その背中は、鋼鉄のように硬いけれど、どこか温かかった。
「逃がすな! 撃てッ!」
背後から、無機質な指令が聞こえた。 振り返ると、ドームのハッチから無数の黒い影が飛び出してくるのが見えた。乙姫の親衛隊だ。彼らが乗っているのもまた、流線型の鋭いマシン──いや、武装したサメのような生体兵器だった。
ズドン! ズドン!
熱線のような光の矢が、私たちの横を掠めていく。 水中で爆発が起き、激しい水流が私を振り落とそうとする。
「くっ、しつこい奴らめ!」
カメーリアが巨体を翻す。 まるで戦闘機のような機動だ。上下左右、複雑な軌道を描きながら、迫りくる光弾を紙一重で回避していく。 私は甲羅の窪みに体を埋め、振り落とされないように指が白くなるほど力を込めた。
「しっかり掴まっておれ! 『海流ジェット』全開じゃ!」
カメーリアの足元から、青白い噴流がほとばしる。 加速。 景色が線になって後ろへ流れていく。
「逃がしませんよ……!」
通信機を通したような、乙姫の冷徹な声が海中に響いた。 前方から、巨大な壁のように展開する親衛隊の群れ。四方八方からの集中砲火。
「どけえええええッ!」
カメーリアが咆哮する。 緑のバリアのような光が甲羅を覆った。真正面から敵の群れに突っ込む。 衝撃。火花。 敵の機体が弾き飛ばされ、私たちは包囲網を突破した。
「やったか……?」
私が顔を上げた、その時だった。
「甘い」
ドームの頂上付近、巨大な砲台がこちらを狙っていた。 エネルギーが充填される不気味な高音。
「いかん……!」
カメーリアが、咄嗟に体勢を変えた。 太郎を庇うように。背中を、敵の砲口に晒して。
ドォォォォォォォン!!
海全体が震えるような轟音。 極太の光の柱が、カメーリアの横っ腹を直撃した。
「ぐああああああッ!」
「カメーリア!!」
悲痛な叫び声と共に、カメーリアのバランスが崩れる。 それでも、推進力は止めなかった。
「止まるな……止まれば、終わる……!」
苦しげな声。でも、その意志は鋼のように強かった。 傷ついた体を引きずりながら、カメーリアは海面を目指す。 頭上に、太陽の光が揺らめいているのが見えた。 あそこまで行けば。あそこまで行けば、太郎たちの世界だ。
「うおおおおおおおおッ!」
最後の力を振り絞り、カメーリアが海面を突き破る。
ザパァァァァァァァン!!
水しぶきと共に、私たちは空へと舞い上がった。 青い空。白い雲。 懐かしい、潮の匂い。
そのまま勢いに任せて、私たちは砂浜へと滑り込んだ。 ズザザザザ……と砂を巻き上げ、ようやく止まる。
「はぁ、はぁ……」
私は震える足で、砂の上に降り立った。 ここは、物語の始まりの場所。あの浜辺だ。
「カメーリア、大丈夫か!?」
慌てて振り返る。 そこにはもう、巨大な怪獣の姿はなかった。 砂の上に、ポツンと。 手のひらサイズの、そして傷だらけの小さなミドリガメが転がっていた。
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