童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
海へと続く道を、桃太郎と健は並んで歩いていました。健は時折、横を歩く桃太郎をちらちらと見ていましたが、旅装束に身を包んだその姿から、女であるとは夢にも思っていない様子でした。
「もうじき海だ。ここまで来れば、引き返すことはできない」
「ああ。覚悟はとうに決めている」
健は短く答え、前を見据えました。
その時です。丘の麓に、不穏な気配が漂っているのに二人は気づきました。
一人の武士が、弓を構えて立っています。その視線の先には、一本の木。そして――その幹には、小柄な男が縄で縛り付けられていました。男の頭の上には、木の的があります。
「……まさか」
健が言葉を失う間にも、武士は矢を引き絞ります。ひゅん、と乾いた音がして、矢は放たれました。矢は真っ直ぐに飛び、見事、的の中心を射抜きます。
その真下にいた男は、顔を引きつらせながらも、凍りついた笑みを崩さずに声を上げました。
「お、お見事にございます!」
その様子を見て、もう一人の若い武士がはしゃいだ声を上げます。
「兄者、次はわしが」
弟らしきその武士は弓を受け取り、楽しげに構えました。
「動くなよ、猿!」
ももの胸に、強い怒りが込み上げました。考えるよりも先に身体が動き、ももは丘を駆け降りていきます。
「おい! 待て!」
健の制止の声が背後から響きますが、ももは止まりません。
「やめろ!」
叫び声とともに駆け寄り、桃太郎は木に縛り付けられた男の縄に手をかけました。刃を入れると、縄は簡単に切れます。
「大事ありませんか」
男は呆然としながら、ただ何度も頷きました。
「小僧! なにゆえの邪魔立てか!」
二人の武士が怒声を上げ、桃太郎を睨みつけます。
「人を的にして弓の稽古など、あまりに非道。恥を知れ!」
桃太郎がきっぱりと言うと、兄と思しき武士は鼻で笑いました。
「くだらん! こやつはの、百姓にも商人にもなれぬゆえ、己を猿と称して、我らに媚びへつらうしか脳のない男よ」
弟もせせら笑います。
「そうじゃ。我らのおかげで飯が食えておるのよ、この猿は! 有難いと思うておるに違いないわ!」
その言葉に、ももの拳が震えました。一歩前に出て、強く言い放ちます。
「……猿じゃない……! 人だ!」
その声を聞いた瞬間、縄を解かれた男の目に、涙が滲みました。
「人……? 猿ではなく……人?」
信じられないものを見るように、男は桃太郎を見つめています。
二人の武士は怒りに顔を歪め、ゆっくりと距離を詰めてきました。静まり返った丘の麓で、剣呑な空気が張り詰めます。
「もうじき海だ。ここまで来れば、引き返すことはできない」
「ああ。覚悟はとうに決めている」
健は短く答え、前を見据えました。
その時です。丘の麓に、不穏な気配が漂っているのに二人は気づきました。
一人の武士が、弓を構えて立っています。その視線の先には、一本の木。そして――その幹には、小柄な男が縄で縛り付けられていました。男の頭の上には、木の的があります。
「……まさか」
健が言葉を失う間にも、武士は矢を引き絞ります。ひゅん、と乾いた音がして、矢は放たれました。矢は真っ直ぐに飛び、見事、的の中心を射抜きます。
その真下にいた男は、顔を引きつらせながらも、凍りついた笑みを崩さずに声を上げました。
「お、お見事にございます!」
その様子を見て、もう一人の若い武士がはしゃいだ声を上げます。
「兄者、次はわしが」
弟らしきその武士は弓を受け取り、楽しげに構えました。
「動くなよ、猿!」
ももの胸に、強い怒りが込み上げました。考えるよりも先に身体が動き、ももは丘を駆け降りていきます。
「おい! 待て!」
健の制止の声が背後から響きますが、ももは止まりません。
「やめろ!」
叫び声とともに駆け寄り、桃太郎は木に縛り付けられた男の縄に手をかけました。刃を入れると、縄は簡単に切れます。
「大事ありませんか」
男は呆然としながら、ただ何度も頷きました。
「小僧! なにゆえの邪魔立てか!」
二人の武士が怒声を上げ、桃太郎を睨みつけます。
「人を的にして弓の稽古など、あまりに非道。恥を知れ!」
桃太郎がきっぱりと言うと、兄と思しき武士は鼻で笑いました。
「くだらん! こやつはの、百姓にも商人にもなれぬゆえ、己を猿と称して、我らに媚びへつらうしか脳のない男よ」
弟もせせら笑います。
「そうじゃ。我らのおかげで飯が食えておるのよ、この猿は! 有難いと思うておるに違いないわ!」
その言葉に、ももの拳が震えました。一歩前に出て、強く言い放ちます。
「……猿じゃない……! 人だ!」
その声を聞いた瞬間、縄を解かれた男の目に、涙が滲みました。
「人……? 猿ではなく……人?」
信じられないものを見るように、男は桃太郎を見つめています。
二人の武士は怒りに顔を歪め、ゆっくりと距離を詰めてきました。静まり返った丘の麓で、剣呑な空気が張り詰めます。
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