童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
あれから数年の時が流れました。
藤兵衛とおねの愛情を一身に受けて育ったももは、村の誰もが振り返るような美しい娘へと成長していました。
黒髪は艶やかに輝き、その瞳は澄んだ湖のように深く、優しさを湛えています。けれど、その優しさの奥底には、曲がったことを決して許さない、凛とした強さが秘められていました。
ある日のこと。ももは村の広場で、商人たちがヒソヒソと話しているのを耳にしました。
「聞いたか?また隣村の蔵が破られたそうだ」
「ああ、なんでも沖にある鬼ヶ島に住み着いた悪党どもの仕業らしいな」
鬼ヶ島。
それは、ここから海を隔てた先にある孤島です。最近、そこに凶暴な集団が住み着き、近隣の村を襲っては食料や金品を奪っているというのです。
怯える村人たちの顔を見て、ももの胸は締め付けられるように痛みました。
(お父様もお母様も、村のみんなも…こんなに毎日一生懸命生きているのに)
穏やかな日常を脅かす理不尽な暴力。それが許せませんでした。
その夜、ももは鏡の前で長く伸ばした髪を見つめ、静かに、けれど固く決意しました。
「私が、行きます」
誰に言うわけでもなく、小さくつぶやく。
ですが、か弱い娘の一人旅となれば、鬼退治どころか、道中でどんな危険に遭うかわかりません。
ももは、箪笥の奥から古びた旅装束を取り出しました。それは藤兵衛が若かりし頃に着ていたものです。
着慣れない袴に足を通し、豊かな黒髪を高い位置で結い上げます。
鏡の中に映ったのは、美しい娘ではなく、意志の強い眼差しをした一人の若者の姿でした。
「…今日から、私の名は『桃太郎』」
愛する家族と村を守るため、ももは――いいえ、桃太郎は、愛用していた短刀を懐に忍ばせ、静かに部屋を後にしました。
藤兵衛とおねの愛情を一身に受けて育ったももは、村の誰もが振り返るような美しい娘へと成長していました。
黒髪は艶やかに輝き、その瞳は澄んだ湖のように深く、優しさを湛えています。けれど、その優しさの奥底には、曲がったことを決して許さない、凛とした強さが秘められていました。
ある日のこと。ももは村の広場で、商人たちがヒソヒソと話しているのを耳にしました。
「聞いたか?また隣村の蔵が破られたそうだ」
「ああ、なんでも沖にある鬼ヶ島に住み着いた悪党どもの仕業らしいな」
鬼ヶ島。
それは、ここから海を隔てた先にある孤島です。最近、そこに凶暴な集団が住み着き、近隣の村を襲っては食料や金品を奪っているというのです。
怯える村人たちの顔を見て、ももの胸は締め付けられるように痛みました。
(お父様もお母様も、村のみんなも…こんなに毎日一生懸命生きているのに)
穏やかな日常を脅かす理不尽な暴力。それが許せませんでした。
その夜、ももは鏡の前で長く伸ばした髪を見つめ、静かに、けれど固く決意しました。
「私が、行きます」
誰に言うわけでもなく、小さくつぶやく。
ですが、か弱い娘の一人旅となれば、鬼退治どころか、道中でどんな危険に遭うかわかりません。
ももは、箪笥の奥から古びた旅装束を取り出しました。それは藤兵衛が若かりし頃に着ていたものです。
着慣れない袴に足を通し、豊かな黒髪を高い位置で結い上げます。
鏡の中に映ったのは、美しい娘ではなく、意志の強い眼差しをした一人の若者の姿でした。
「…今日から、私の名は『桃太郎』」
愛する家族と村を守るため、ももは――いいえ、桃太郎は、愛用していた短刀を懐に忍ばせ、静かに部屋を後にしました。
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