童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
街道に出ると、人通りが減った。
木々が両側から迫り、空が細く切り取られている。
「さっきの奴、しつこかったな」
風太が言った。
「ああいうの苦手だわ」
雷蔵が頷く。
健は黙っていた。
さっきから、妙に胸がざわついている。
(あの野郎……桃兄に色目使いやがって……)
理由はわからない。ただ、腹が立った。
「――止まれ」
桃太郎が足を止めた。
「どうした」
「囲まれている」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに。
木々の間から、男たちが現れた。
十人。
二十人。
「へっへっへ……」
頭らしき大男が、錆びた刀を肩に担いで笑った。
「運が悪かったな、坊主ども。身ぐるみ置いてきな」
山賊だ。
健が太刀に手をかける。雷蔵と風太が弓を構える。猿吉が腰を落とす。
だが、二十人。
多すぎる。
「くそっ……」
健が歯を食いしばる。
桃太郎が短刀を抜いた。
だが、その額にも汗が滲んでいる。
四方から迫る山賊たち。
じりじりと距離が詰まる。
「終わりだな、坊主」
大男が刀を振りかぶった。
その時だった。
ひゅん。
空を裂く音。
大男の刀が、弾き飛ばされた。
「な――」
「よぉ」
声がした。
木の上から、一人の男が飛び降りてきた。
真紅の着流し。逆立った髪。耳に揺れる飾り。
「てめぇ……さっきの!」
健が叫ぶ。
傾奇者は鎖鎌を構え、にやりと笑った。
「よう、犬っころ。苦戦してんじゃねぇか」
「誰が犬だ!」
「まぁ見てろって」
傾奇者が地を蹴った。
鎖が唸る。鎌が閃く。
一人、二人、三人。山賊たちが次々と倒れていく。
その隙に、桃太郎たちも動いた。
健の太刀が閃き、雷蔵と風太の矢が飛ぶ。猿吉が山賊の足を払い、桃太郎が懐に飛び込んで短刀を振るう。
あっという間だった。
二十人の山賊は、全員地面に転がっていた。
「……終わったか」
健が息を吐いた。
傾奇者は鎖鎌を腰に戻し、桃太郎の方を向いた。
「よう、桃の旦那」
「……なぜ助けた」
「なぜって? 面白そうだったからに決まってんだろ」
肩をすくめる。
「あんた、鬼ヶ島に行くんだろ?」
桃太郎の目が細くなった。
「なぜ知っている」
「噂だよ噂。悪党を懲らしめて回ってる連中がいるってな」
「……ああ」
「俺も連れてけよ」
「断る」
「冷てぇな。さっき助けてやっただろ」
「礼は言う。だが、仲間にはしない」
傾奇者は大げさに肩を落とした。
「まぁそう言うなって。俺の名は朱雉。鎖鎌の朱雉ってな、この辺じゃちょっとは知られてんだぜ」
「知らん」
「ひでぇな」
朱雉はけらけらと笑った。
「まぁいいさ。勝手についてくから」
「……好きにしろ」
桃太郎は溜息をついて歩き出した。
健が朱雉を睨む。
「おい。変なことしたら承知しねぇぞ」
「安心しろよ。俺ぁ振られた相手には二度は迫らねぇ主義だ」
「……本当だろうな」
「本当本当」
朱雉は口笛を吹きながら、桃太郎の後を追っていった。
後ろで、猿吉が呟いた。
「……また賑やかになりそうっすね」
六人になった一行は、潮風の匂いが微かに混じり始めた街道を、鬼ヶ島へ向けて歩き出した。
木々が両側から迫り、空が細く切り取られている。
「さっきの奴、しつこかったな」
風太が言った。
「ああいうの苦手だわ」
雷蔵が頷く。
健は黙っていた。
さっきから、妙に胸がざわついている。
(あの野郎……桃兄に色目使いやがって……)
理由はわからない。ただ、腹が立った。
「――止まれ」
桃太郎が足を止めた。
「どうした」
「囲まれている」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに。
木々の間から、男たちが現れた。
十人。
二十人。
「へっへっへ……」
頭らしき大男が、錆びた刀を肩に担いで笑った。
「運が悪かったな、坊主ども。身ぐるみ置いてきな」
山賊だ。
健が太刀に手をかける。雷蔵と風太が弓を構える。猿吉が腰を落とす。
だが、二十人。
多すぎる。
「くそっ……」
健が歯を食いしばる。
桃太郎が短刀を抜いた。
だが、その額にも汗が滲んでいる。
四方から迫る山賊たち。
じりじりと距離が詰まる。
「終わりだな、坊主」
大男が刀を振りかぶった。
その時だった。
ひゅん。
空を裂く音。
大男の刀が、弾き飛ばされた。
「な――」
「よぉ」
声がした。
木の上から、一人の男が飛び降りてきた。
真紅の着流し。逆立った髪。耳に揺れる飾り。
「てめぇ……さっきの!」
健が叫ぶ。
傾奇者は鎖鎌を構え、にやりと笑った。
「よう、犬っころ。苦戦してんじゃねぇか」
「誰が犬だ!」
「まぁ見てろって」
傾奇者が地を蹴った。
鎖が唸る。鎌が閃く。
一人、二人、三人。山賊たちが次々と倒れていく。
その隙に、桃太郎たちも動いた。
健の太刀が閃き、雷蔵と風太の矢が飛ぶ。猿吉が山賊の足を払い、桃太郎が懐に飛び込んで短刀を振るう。
あっという間だった。
二十人の山賊は、全員地面に転がっていた。
「……終わったか」
健が息を吐いた。
傾奇者は鎖鎌を腰に戻し、桃太郎の方を向いた。
「よう、桃の旦那」
「……なぜ助けた」
「なぜって? 面白そうだったからに決まってんだろ」
肩をすくめる。
「あんた、鬼ヶ島に行くんだろ?」
桃太郎の目が細くなった。
「なぜ知っている」
「噂だよ噂。悪党を懲らしめて回ってる連中がいるってな」
「……ああ」
「俺も連れてけよ」
「断る」
「冷てぇな。さっき助けてやっただろ」
「礼は言う。だが、仲間にはしない」
傾奇者は大げさに肩を落とした。
「まぁそう言うなって。俺の名は朱雉。鎖鎌の朱雉ってな、この辺じゃちょっとは知られてんだぜ」
「知らん」
「ひでぇな」
朱雉はけらけらと笑った。
「まぁいいさ。勝手についてくから」
「……好きにしろ」
桃太郎は溜息をついて歩き出した。
健が朱雉を睨む。
「おい。変なことしたら承知しねぇぞ」
「安心しろよ。俺ぁ振られた相手には二度は迫らねぇ主義だ」
「……本当だろうな」
「本当本当」
朱雉は口笛を吹きながら、桃太郎の後を追っていった。
後ろで、猿吉が呟いた。
「……また賑やかになりそうっすね」
六人になった一行は、潮風の匂いが微かに混じり始めた街道を、鬼ヶ島へ向けて歩き出した。
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