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童話異聞録「桃太郎」

制作者: A5
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 完結数: 15話で完結 | 文字数制限: 4,000文字

概要

第6話 暴れ犬の健
蒼月(そうげつ)
2025年12月13日 21:41 | 61
翌朝、ももは老婆に深々と頭を下げました。
「お婆さん、本当にありがとうございました」
腰に提げた袋には、昨日二人で作った黍団子がたっぷりと詰まっています。そのずしりとした重みは、老婆の優しさそのもののようでした。
「気をつけてな。無理はするんじゃないよ」
老婆の温かい見送りを受け、もも(桃太郎)は再び歩き出しました。

山を下り、街道に出ると、人の往来が増えてきました。
しばらく歩いていると、前方の辻で怒号が響き渡りました。
「おい、どこに目をつけて歩いてやがる!」

見れば、派手な着物を着流した若い男が、行商人の荷物を蹴り飛ばしています。
「俺様の着物に土埃がかかっただろうが。どう落とし前つけるつもりだ、あぁ?」
男の腰には立派な太刀。整った顔立ちをしていますが、その瞳は飢えた獣のようにギラついていました。周囲の人々は遠巻きに見て見ぬふりを決め込んでいます。

(…許せない!)

ももの胸の奥で、義憤の火が燃え上がりました。
自分が男装の旅人であることも忘れ、二人の間へ割って入ります。
「やめないか!」

凛とした声が響きました。男は蹴り上げた足を止め、不快そうに桃太郎を睨みつけます。
「あぁ? なんだお前は。この村の領主の息子、犬飼健様を知らねぇのか」
「領主の息子が聞いて呆れる。弱い者をいじめて恥ずかしくないのか」

ももが気丈に言い放つと、健は鼻で笑い、ゆっくりと太刀の柄に手をかけました。
殺気が肌を刺します。ももは懐の短刀に手をやりますが、武術の心得などないその指先は、恐怖で微かに震えていました。
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このパートからの分岐 (1)
驕りの刃

健が太刀を抜くと、空気を裂くような鋭い音が、ももの耳を打ちます。 その音は、命の取り合いに慣れていな...

さんぽ さんぽ
12/15 19:47
全階層の表示(17件)
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第2話 若返りの桃 冬至梅 0 75
・お婆さんは家に戻ると、早速手ぬぐいから桃を取り出しました。包丁を手に取り、そっと...
第3話 秘めたる決意 あさり 1 75
・あれから数年の時が流れました。 藤兵衛とおねの愛情を一身に受けて育ったももは、...
第4話 不思議な出会い 冬至梅 0 62
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第5話 日ノ本一のきび団子 冬至梅 0 67
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第6話 暴れ犬の健 蒼月(そうげつ) 1 62
・翌朝、ももは老婆に深々と頭を下げました。 「お婆さん、本当にありがとうございまし...
第7話 驕りの刃 さんぽ 1 60
・健が太刀を抜くと、空気を裂くような鋭い音が、ももの耳を打ちます。 その音は、命の...
第8話 猿ではなく人 冬至梅 1 67
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第9話 新しい仲間たち 蒼月(そうげつ) 0 57
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第11話 妖艶の宴 クロマル 0 43
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第13話 鎖鎌の朱雉 蒼月(そうげつ) 0 22
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第2話 祝福 クロマル 0 54
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第3話 旅立ち 蒼月(そうげつ) 0 30
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第4話 山の暴れん坊 レュー 0 27
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