童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
宿場町の大通り。
昼下がりの陽射しが、往来に長い影を落としていた。
桃太郎一行は、茶屋の縁台に腰を下ろしていた。
団子を頬張る猿吉。茶を啜る雷蔵と風太。そしてその隣で、ぼんやりと空を見上げる桃太郎。
「――おや」
不意に、人垣がざわめいた。
派手だった。
真紅の着流しに、金糸の刺繍。髪は炎のように逆立ち、耳には揺れる飾り。腰には鎖の巻きついた鎌。
傾奇者だ。
「おいおいおい、なんだありゃあ」
風太が目を丸くする。
傾奇者は真っ直ぐ歩いてきた。
そして、桃太郎の前でぴたりと足を止めた。
「よぉ」
にっ、と笑う。
「あんた、いい顔してんな。俺と一杯やらねぇか」
桃太郎が目を瞬かせる。
「は?」
「いやぁ、この辺じゃ見ねぇ顔だと思ってよ。旅の者だろ? 退屈してんだろ? 俺が相手してやるよ」
馴れ馴れしく肩に手を回そうとする。
その手を、健が掴んだ。
「おい」
「あん?」
「桃兄に何してやがる」
「桃兄? ああ、こいつの名か。いい名だな」
「触んな。桃兄は男だ」
「知ってるよ」
傾奇者はあっさりと答えた。
「俺はどっちもいける口でな」
健の顔が、みるみる赤くなった。
「てめぇ……!」
「いいだろ別に。減るもんじゃねぇし」
「減るわ!っていうか離れろ!」
「まあまあ落ち着けよ犬っころ」
「誰が犬だ!」
「吠えてんじゃん」
「吠えてねぇ!」
猿吉が団子を咥えたまま呟いた。
「……吠えてますね」
「うるせぇ!」
傾奇者は肩をすくめた。
「つれねぇな。せっかく声かけてやったのによ」
「誰も頼んでねぇ」
「そう言うなって。なぁ、桃の旦那。一晩でいいからよ」
「断る」
桃太郎が立ち上がった。
「私たちは急いでいる」
「冷てぇな。どこ行くんだよ」
「関係ない」
桃太郎が歩き出す。傾奇者がその腕を掴んだ。
「まぁ待てって――」
次の瞬間。
傾奇者の身体が宙を舞った。
どすん、と派手な音。
背中から地面に叩きつけられ、目を白黒させている。
「……うそだろ」
雷蔵が呆然と呟いた。
桃太郎は何事もなかったかのように着物の袖を払った。
「行こう」
「お、おう……」
一行は茶屋を後にした。
地面に転がったままの傾奇者を残して。
昼下がりの陽射しが、往来に長い影を落としていた。
桃太郎一行は、茶屋の縁台に腰を下ろしていた。
団子を頬張る猿吉。茶を啜る雷蔵と風太。そしてその隣で、ぼんやりと空を見上げる桃太郎。
「――おや」
不意に、人垣がざわめいた。
派手だった。
真紅の着流しに、金糸の刺繍。髪は炎のように逆立ち、耳には揺れる飾り。腰には鎖の巻きついた鎌。
傾奇者だ。
「おいおいおい、なんだありゃあ」
風太が目を丸くする。
傾奇者は真っ直ぐ歩いてきた。
そして、桃太郎の前でぴたりと足を止めた。
「よぉ」
にっ、と笑う。
「あんた、いい顔してんな。俺と一杯やらねぇか」
桃太郎が目を瞬かせる。
「は?」
「いやぁ、この辺じゃ見ねぇ顔だと思ってよ。旅の者だろ? 退屈してんだろ? 俺が相手してやるよ」
馴れ馴れしく肩に手を回そうとする。
その手を、健が掴んだ。
「おい」
「あん?」
「桃兄に何してやがる」
「桃兄? ああ、こいつの名か。いい名だな」
「触んな。桃兄は男だ」
「知ってるよ」
傾奇者はあっさりと答えた。
「俺はどっちもいける口でな」
健の顔が、みるみる赤くなった。
「てめぇ……!」
「いいだろ別に。減るもんじゃねぇし」
「減るわ!っていうか離れろ!」
「まあまあ落ち着けよ犬っころ」
「誰が犬だ!」
「吠えてんじゃん」
「吠えてねぇ!」
猿吉が団子を咥えたまま呟いた。
「……吠えてますね」
「うるせぇ!」
傾奇者は肩をすくめた。
「つれねぇな。せっかく声かけてやったのによ」
「誰も頼んでねぇ」
「そう言うなって。なぁ、桃の旦那。一晩でいいからよ」
「断る」
桃太郎が立ち上がった。
「私たちは急いでいる」
「冷てぇな。どこ行くんだよ」
「関係ない」
桃太郎が歩き出す。傾奇者がその腕を掴んだ。
「まぁ待てって――」
次の瞬間。
傾奇者の身体が宙を舞った。
どすん、と派手な音。
背中から地面に叩きつけられ、目を白黒させている。
「……うそだろ」
雷蔵が呆然と呟いた。
桃太郎は何事もなかったかのように着物の袖を払った。
「行こう」
「お、おう……」
一行は茶屋を後にした。
地面に転がったままの傾奇者を残して。
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