童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
少年の名は金太郎。
足柄山で熊を相手に相撲をとって育ったという、まさに野生児だった。
大きな担いだ鉞、日に焼けた肌。乱れた黒髪。腰には虎の毛皮を巻いている。
「なあ、姉ちゃん」
金太郎はかぐやの前でぴたりと足を止めた。
じっと見つめる。まるで珍しい花でも見つけたみたいに。
「……何か?」
「すげえ綺麗だな、あんた」
かぐやは無言で一歩下がった。
「俺の嫁に来ねえか」
「は?」
一寸坊がかぐやの肩の上で声を上げた。
「いきなり何言ってんだお前!」
「あ? 誰だお前。虫か?」
「虫じゃねえ! 俺は一寸坊だ!」
金太郎は目を細めて、ようやく一寸坊の存在に気づいたようだった。
「ふーん。で、姉ちゃん。どうだ?」
「お断りします」
かぐやは静かに、けれどきっぱりと言った。
「私たちは鬼退治に向かう途中です。嫁入りの予定はありません」
「鬼退治?そんな細っこい腕で?無理だろ」
「姉ちゃんは俺が守る!」
一寸坊が叫んだ。金太郎は鼻で笑った。
「お前が?この俺に勝てんのか?」
「勝てる。勝負しろ!」
かぐやが止める間もなく、一寸坊は肩から飛び降りた。
腰に差した針の刀を抜く。お婆さんがくれた縫い針だ。
「いいぜ、面白え」
金太郎は鉞を地面に突き刺して、素手で構えた。
「来な、チビ」
一寸坊は地面を蹴った。小さな体が風のように走る。
金太郎の目が追いきれない。
「どこだ?」
「こっちだ!」
声は足元から。
一寸坊は金太郎の足の指の間をすり抜け、ふくらはぎを駆け上がった。
「うお、くすぐってえ!」
「隙あり!」
「わ、ちょ、待て!」
金太郎が慌ててるその隙に一寸坊は背中を走り、首筋に針を突きつけた。
「……参ったか」
「…………参った」
金太郎はがっくりと膝をついた。
「強ぇな、お前」
「当たり前だ。俺は小さいけど、誰にも負けねえ」
かぐやが静かに歩み寄った。
「お見事でした、一寸坊」
「へへ、まあな」
金太郎は座り込んだまま、二人を見上げた。
さっきまでの威勢はどこへやら、しょんぼりとした顔をしている。
「悪かったな、姉ちゃん。いきなり失礼なこと言って」
「分かればよろしいのです」
「俺、誰かに負けたの初めてでよ。熊にも猪にも勝ってきたのに」
一寸坊は金太郎の肩にひょいと飛び乗った。
「お前、強いじゃん。鬼退治、一緒に来るか?」
「え、いいのか?」
「腕っぷしは必要だからな。……姉ちゃんに変なことしなけりゃ、だけど」
「しねえしねえ!約束する!」
かぐやは小さくため息をついたが、その目元は少し笑っていた。
「では、仲直りの印に」
かぐやは腰の袋から黍団子を取り出した。
金太郎の目が輝く。
「うわ、美味そう!」
「母さんの手作りだ。食えよ」
三人は道端の岩に腰かけて、黍団子を分け合った。
金太郎は一口食べて、ぼろぼろと涙をこぼした。
「……美味え。こんな美味いもん、食ったことねえ」
「泣くなよ、大袈裟だな」
「だって、誰かと一緒に飯食うの、初めてなんだ」
一寸坊とかぐやは顔を見合わせた。
山で一人、獣たちと暮らしてきた少年。強いけれど、どこか寂しそうな目。
「……よし、決めた」
一寸坊は立ち上がって言った。
「お前は今日から俺たちの仲間だ。金太郎!」
「おう!よろしくな、一寸坊!姉ちゃんも!」
「かぐや、です」
「かぐや!いい名前だな!」
こうして、三人の旅が始まった。
足柄山で熊を相手に相撲をとって育ったという、まさに野生児だった。
大きな担いだ鉞、日に焼けた肌。乱れた黒髪。腰には虎の毛皮を巻いている。
「なあ、姉ちゃん」
金太郎はかぐやの前でぴたりと足を止めた。
じっと見つめる。まるで珍しい花でも見つけたみたいに。
「……何か?」
「すげえ綺麗だな、あんた」
かぐやは無言で一歩下がった。
「俺の嫁に来ねえか」
「は?」
一寸坊がかぐやの肩の上で声を上げた。
「いきなり何言ってんだお前!」
「あ? 誰だお前。虫か?」
「虫じゃねえ! 俺は一寸坊だ!」
金太郎は目を細めて、ようやく一寸坊の存在に気づいたようだった。
「ふーん。で、姉ちゃん。どうだ?」
「お断りします」
かぐやは静かに、けれどきっぱりと言った。
「私たちは鬼退治に向かう途中です。嫁入りの予定はありません」
「鬼退治?そんな細っこい腕で?無理だろ」
「姉ちゃんは俺が守る!」
一寸坊が叫んだ。金太郎は鼻で笑った。
「お前が?この俺に勝てんのか?」
「勝てる。勝負しろ!」
かぐやが止める間もなく、一寸坊は肩から飛び降りた。
腰に差した針の刀を抜く。お婆さんがくれた縫い針だ。
「いいぜ、面白え」
金太郎は鉞を地面に突き刺して、素手で構えた。
「来な、チビ」
一寸坊は地面を蹴った。小さな体が風のように走る。
金太郎の目が追いきれない。
「どこだ?」
「こっちだ!」
声は足元から。
一寸坊は金太郎の足の指の間をすり抜け、ふくらはぎを駆け上がった。
「うお、くすぐってえ!」
「隙あり!」
「わ、ちょ、待て!」
金太郎が慌ててるその隙に一寸坊は背中を走り、首筋に針を突きつけた。
「……参ったか」
「…………参った」
金太郎はがっくりと膝をついた。
「強ぇな、お前」
「当たり前だ。俺は小さいけど、誰にも負けねえ」
かぐやが静かに歩み寄った。
「お見事でした、一寸坊」
「へへ、まあな」
金太郎は座り込んだまま、二人を見上げた。
さっきまでの威勢はどこへやら、しょんぼりとした顔をしている。
「悪かったな、姉ちゃん。いきなり失礼なこと言って」
「分かればよろしいのです」
「俺、誰かに負けたの初めてでよ。熊にも猪にも勝ってきたのに」
一寸坊は金太郎の肩にひょいと飛び乗った。
「お前、強いじゃん。鬼退治、一緒に来るか?」
「え、いいのか?」
「腕っぷしは必要だからな。……姉ちゃんに変なことしなけりゃ、だけど」
「しねえしねえ!約束する!」
かぐやは小さくため息をついたが、その目元は少し笑っていた。
「では、仲直りの印に」
かぐやは腰の袋から黍団子を取り出した。
金太郎の目が輝く。
「うわ、美味そう!」
「母さんの手作りだ。食えよ」
三人は道端の岩に腰かけて、黍団子を分け合った。
金太郎は一口食べて、ぼろぼろと涙をこぼした。
「……美味え。こんな美味いもん、食ったことねえ」
「泣くなよ、大袈裟だな」
「だって、誰かと一緒に飯食うの、初めてなんだ」
一寸坊とかぐやは顔を見合わせた。
山で一人、獣たちと暮らしてきた少年。強いけれど、どこか寂しそうな目。
「……よし、決めた」
一寸坊は立ち上がって言った。
「お前は今日から俺たちの仲間だ。金太郎!」
「おう!よろしくな、一寸坊!姉ちゃんも!」
「かぐや、です」
「かぐや!いい名前だな!」
こうして、三人の旅が始まった。
このパートからの分岐 (1)
全階層の表示(17件)
人気のリレー小説
みんなが注目している作品
コメント