童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
お婆さんは家に戻ると、早速手ぬぐいから桃を取り出しました。包丁を手に取り、そっと桃に刃を入れると、桃はみずみずしい香りを広げて二つに割れました。
ちょうどその時、お爺さんが芝刈りから帰ってきました。
「婆さんや、戻ったぞ」
声をかけながら戸を潜ると、お爺さんは香りに気づいて目を丸くしました。
「おや、美味そうな桃ではないか」
「川で拾ったんですよ。二人で食べましょうね」
お婆さんが差し出した桃の半分を、お爺さんは嬉しそうに受け取り、二人は笑い合いながら桃を口に運びました。柔らかい果肉の甘みが口いっぱいに広がり、二人は思わず顔を見合わせます。
「こりゃあ、美味い桃じゃ……」
「ええ……なんだか、不思議なほどに」
その夜、二人はいつもよりも深く眠りにつきました。
***
翌朝、鳥の声が響く頃。お婆さんはいつものように目を覚ましましたが、自分の手元を見て息を呑みました。
「これは……!どういうことじゃ……?」
シワが無くなり、肌は張りを取り戻し、まるで嫁入り前の姿に戻っているのです。急いで隣を見ると、お爺さんもまた目を見開いていました。
「婆さんや……!わしはまだ夢の中におるのか?」
「いいえ、お爺さん……!ですが、どう見ても若い頃の姿です」
二人はしばらく呆然としていましたが、やがて昨日食べた桃を思い出しました。普通の桃に見えましたが、あの不思議な甘さ。二人は顔を見合わせ、静かに頷きました。
「……あの桃は、きっと天からの贈り物だったのじゃろう」
「ええ、私たちにもう一度生き直せという、お告げかもしれませんね」
その日から二人は、若返った身体で改めて仕事に励み、村の人々からは驚きと羨望の目で見られるようになりました。
***
それから数年の月日が流れました。
若返ったお爺さんとお婆さん――今では再び名前で呼ばれるようになった「藤兵衛」と「おね」の家には、新たな笑い声が生まれていました。おねが大切そうに抱いているのは、まだ幼い娘です。
「藤兵衛どの、この子もよく笑うようになりましたね」
「おう、おね。まるで陽だまりのようじゃ」
二人は娘に「もも」と名付けていました。あの日、川上から流れてきた桃――二人に若さを与え、新たな命を呼び寄せた不思議な贈り物にちなみ、心からの感謝を込めて。
こうして藤兵衛、おね、そしてももの三人家族は、穏やかな日々を過ごしていたのです。
ちょうどその時、お爺さんが芝刈りから帰ってきました。
「婆さんや、戻ったぞ」
声をかけながら戸を潜ると、お爺さんは香りに気づいて目を丸くしました。
「おや、美味そうな桃ではないか」
「川で拾ったんですよ。二人で食べましょうね」
お婆さんが差し出した桃の半分を、お爺さんは嬉しそうに受け取り、二人は笑い合いながら桃を口に運びました。柔らかい果肉の甘みが口いっぱいに広がり、二人は思わず顔を見合わせます。
「こりゃあ、美味い桃じゃ……」
「ええ……なんだか、不思議なほどに」
その夜、二人はいつもよりも深く眠りにつきました。
***
翌朝、鳥の声が響く頃。お婆さんはいつものように目を覚ましましたが、自分の手元を見て息を呑みました。
「これは……!どういうことじゃ……?」
シワが無くなり、肌は張りを取り戻し、まるで嫁入り前の姿に戻っているのです。急いで隣を見ると、お爺さんもまた目を見開いていました。
「婆さんや……!わしはまだ夢の中におるのか?」
「いいえ、お爺さん……!ですが、どう見ても若い頃の姿です」
二人はしばらく呆然としていましたが、やがて昨日食べた桃を思い出しました。普通の桃に見えましたが、あの不思議な甘さ。二人は顔を見合わせ、静かに頷きました。
「……あの桃は、きっと天からの贈り物だったのじゃろう」
「ええ、私たちにもう一度生き直せという、お告げかもしれませんね」
その日から二人は、若返った身体で改めて仕事に励み、村の人々からは驚きと羨望の目で見られるようになりました。
***
それから数年の月日が流れました。
若返ったお爺さんとお婆さん――今では再び名前で呼ばれるようになった「藤兵衛」と「おね」の家には、新たな笑い声が生まれていました。おねが大切そうに抱いているのは、まだ幼い娘です。
「藤兵衛どの、この子もよく笑うようになりましたね」
「おう、おね。まるで陽だまりのようじゃ」
二人は娘に「もも」と名付けていました。あの日、川上から流れてきた桃――二人に若さを与え、新たな命を呼び寄せた不思議な贈り物にちなみ、心からの感謝を込めて。
こうして藤兵衛、おね、そしてももの三人家族は、穏やかな日々を過ごしていたのです。
このパートからの分岐 (1)
全階層の表示(17件)
人気のリレー小説
みんなが注目している作品
コメント