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童話異聞録「桃太郎」

制作者: A5
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 完結数: 15話で完結 | 文字数制限: 4,000文字

概要

第3話 旅立ち
蒼月(そうげつ)
2025年12月26日 16:35 | 30
あれから十数年の月日が流れました。

竹から生まれたかぐやは、お爺さんの予言通り(?)凛とした美しさに育ち、桃から生まれた一寸坊は、元気いっぱいのまま、背丈は数センチ伸びただけで止まってしまいました。 それでも二人は、お爺さんとお婆さんの深い愛情に包まれて、本当に幸せに暮らしていました。

そんなある日のこと、村に不穏な噂が流れてきました。
「鬼ヶ島の鬼たちが、村の宝や食べ物を奪いに来るらしい」
正義感の強い一寸坊は、それを聞くと黙っていられません。
「僕が鬼を退治してくるよ! みんなが困っているのを放っておけない!」
小さな体で大きな声を出す一寸坊を見て、お婆さんは心配で胸がいっぱいになりました。
「そんな、危ないわ。一寸坊、考え直しなさい」
けれど、一寸坊の決意は固いものでした。 そんな弟の姿を見て、かぐやが静かに立ち上がりました。
「私も行きます。一寸坊を一人で行かせるわけにはいきません」

お婆さんは困ったような顔をしましたが、二人の真っ直ぐな瞳を見て、最後には微笑んで頷きました。
「分かりました。二人とも、これを……」
お婆さんは、心を込めて丸めた黍団子きびだんごを二人の腰にぶら下げてくれました。
「気をつけて行くのですよ。お腹が空いたらこれを食べて」

二人はお爺さんとお婆さんに見送られながら、住み慣れた家を後にしました。
姉のかぐやが一寸坊を肩に乗せ、見慣れた景色が少しずつ遠ざかり、深い山道に入ったときのことです。
道の向こうから、何やらものすごい地響きが聞こえてきました。

土煙の中から現れたのは、赤い腹掛けをして、自分よりも大きなまさかりを軽々と担いだ少年でした。
「おい、お前ら! こんなところで何してるんだ?」
一寸坊とかぐやは、その少年の圧倒的な迫力に、思わず足を止めて顔を見合わせました。
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このパートからの分岐 (1)
山の暴れん坊

少年の名は金太郎。 足柄山で熊を相手に相撲をとって育ったという、まさに野生児だった。 大きな担いだ...

レュー レュー
12/30 15:11
全階層の表示(17件)
第1話 川上からの贈り物 A5 1 81
・昔々あるところにお爺さんとお婆さんがいました。 お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さ...
第2話 若返りの桃 冬至梅 0 75
・お婆さんは家に戻ると、早速手ぬぐいから桃を取り出しました。包丁を手に取り、そっと...
第3話 秘めたる決意 あさり 1 75
・あれから数年の時が流れました。 藤兵衛とおねの愛情を一身に受けて育ったももは、...
第4話 不思議な出会い 冬至梅 0 62
・もも改め桃太郎は、夜明けの薄明かりを背に家を後にしました。  海までは、それな...
第5話 日ノ本一のきび団子 冬至梅 0 67
・老婆の家は、竹林の奥にひっそりと建っていました。 「さあさ、遠慮せんと入りなさ...
第6話 暴れ犬の健 蒼月(そうげつ) 1 62
・翌朝、ももは老婆に深々と頭を下げました。 「お婆さん、本当にありがとうございまし...
第7話 驕りの刃 さんぽ 1 60
・健が太刀を抜くと、空気を裂くような鋭い音が、ももの耳を打ちます。 その音は、命の...
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第9話 新しい仲間たち 蒼月(そうげつ) 0 57
・「|桃兄《ももにい》、下がっててくれ。こんな奴ら俺一人で十分だ」 (健は桃太郎の...
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第11話 妖艶の宴 クロマル 0 43
・館の門をくぐると、朱塗りの廊下が奥へと続いていた。 壁には金箔の屏風。天井からは...
第12話 傾奇者 蒼月(そうげつ) 0 27
・宿場町の大通り。 昼下がりの陽射しが、往来に長い影を落としていた。 桃太郎一行...
第13話 鎖鎌の朱雉 蒼月(そうげつ) 0 22
・街道に出ると、人通りが減った。 木々が両側から迫り、空が細く切り取られている。...
第2話 祝福 クロマル 0 54
・お婆さんが川から持ち帰った桃をまな板に乗せ、包丁を手に取ったその時、玄関の戸が勢...
第3話 旅立ち 蒼月(そうげつ) 0 31
・あれから十数年の月日が流れました。 竹から生まれたかぐやは、お爺さんの予言通...
第4話 山の暴れん坊 レュー 0 27
・少年の名は金太郎。 足柄山で熊を相手に相撲をとって育ったという、まさに野生児だっ...
NEW 第5話 恩返し クロマル 0 39
・三人は山道を歩いていた。 木漏れ日。苔むした岩。遠くで鳥の声。 「なあ、鬼ヶ...
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