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童話異聞録「桃太郎」

制作者: A5
小説設定: | 連続投稿: | 投稿権限: 全員 | 完結数: 15話で完結 | 文字数制限: 4,000文字

概要

第4話 不思議な出会い
冬至梅
2025年12月12日 16:49 | 61
もも改め桃太郎は、夜明けの薄明かりを背に家を後にしました。

 海までは、それなりの道のりがあります。それでも若さと気力に任せて進めば、日が暮れる前に辿り着けるだろう――そう考えていました。
 けれど、現実はそう甘くありません。太陽は高く昇ったかと思えば、すぐに傾き始め、あっという間に山影へ沈んでいきました。

「……今日は、ここまでのようね」

 桃太郎は小さく息をつき、周囲を見回しました。少し離れた竹林の奥に、朽ち果てた古い寺があります。屋根瓦は落ち、柱も傾いていますが、雨風を凌ぐ程度にはなりそうです。

 そこで夜を明かすしかない――そう思い、足を向けた時でした。

「お若いの。こんな山奥で野宿かい?」

 掠れた声がして振り返ると、白髪の年老いた老婆が立っていました。背は小さく、杖をついているものの、その目には不思議な光が宿っています。

「あ……いえ、その……野宿のつもりではありませんが……」

 桃太郎は慣れない男の口調で答えます。

「ほう、旅慣れておらんようじゃのう。ここらは獣も出る。廃寺に一人で寝るには危ういわ」

 老婆は笑いながら近づいてきます。桃太郎は慎重に距離を保ちました。幸い、男装していることにも、旅の目的にも気づかれた様子はありません。

「わしの家が、すぐそこじゃ。こんな崩れかけた寺で寝るより、よほど心強いぞい。ほれ、ついて参れ」

 老婆はゆっくりと竹林の方へ歩き始めました。桃太郎は一瞬迷いましたが、夜の山で灯りもなく過ごすよりはマシだと考え、後を追いました。
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このパートからの分岐 (1)
日ノ本一のきび団子

老婆の家は、竹林の奥にひっそりと建っていました。 「さあさ、遠慮せんと入りなされ」  桃太郎が戸...

冬至梅 冬至梅
12/12 16:55
全階層の表示(17件)
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