童話異聞録「桃太郎」
制作者:
A5
小説設定:
|
連続投稿: 可
|
投稿権限:
全員
|
完結数: 15話で完結
|
文字数制限: 4,000文字
概要
童話異聞録 第二弾
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
前回の「浦島太郎」が皆様のおかげでうまく言ったので、味をしめての第二弾です
「桃太郎」のお話をベースに、違う結末にしていきたいと思います。
とりあえず、15話完結でやってみます。
五人の旅は、日に日に賑やかになっていました。
猿吉は先頭に立ち、持ち前の身軽さで道を切り開きます。雷蔵と風太の兄弟は、時折じゃれ合いながらも、以前のような傲慢さは影を潜めていました。
健は相変わらず桃太郎の傍を離れず、何かあればすぐに手を貸そうとします。
「桃太郎さんはよ、なんであんな強ぇんだろうな」
ある日の夕暮れ、川辺で休憩を取っていた時のことです。雷蔵がふと、風太に小声で話しかけました。
「わかんねぇ。でもよ、時々思うんだ」
「何を」
「もしかして桃太郎さんって……女なんじゃねぇかって」
その言葉を、少し離れた場所で水を汲んでいた健が聞いてしまいました。
竹筒を持つ手が、ぴくりと止まります。
「いやだってさ、やけに所作が色っぽいっていうか……なんつーか、しなやかっていうか」
「馬鹿か。あれは武芸の動きだろ」
「でもよ、髪を結い上げる時の指先とか、食事の時の箸の持ち方とか……」
健は思わず二人のもとへ歩み寄り、問いただしました。
「どうした。何の話だ」
「いえね、もしかしたら桃太郎さんって、女性なんじゃねぇかって」
「はぁ? 何言ってやがんだ」
「いえすんません、やけに所作が色っぽいというか、なんていうか……」
健の眉がぴくりと動きました。
「ふざけんな!桃兄が女な訳ねぇだろ。そりゃすげぇ美男子だと思うけど。恩人の桃兄を侮辱するようなこと言うとゆるさんぞ!」
「すんません、すんません」
雷蔵と風太は慌てて頭を下げます。
健はフンと鼻を鳴らして踵を返しましたが、その足取りはどこか落ち着きませんでした。
(全く、あいつらときたら……)
そう思いながらも、健の視線は無意識に桃太郎を追っていました。
川辺で猿吉と何やら話している横顔。夕日に照らされた頬の輪郭。風に揺れる後れ毛。
(……やめろ、俺)
健は頭を振りました。けれど、一度意識してしまったものは、そう簡単には消えてくれません。
「どうした、健」
不意に声をかけられ、健は飛び上がりそうになりました。振り向くと、桃太郎がすぐ傍に立っていたのです。
「い、いえ、なんでもねっす」
声が上ずってしまいました。桃太郎は不思議そうに首を傾げます。その仕草が、また妙に……。
(俺、そっちの気はねぇはずなのに……いけねぇ、いけねぇ)
健は顔を背け、わざとらしく咳払いをしました。
「ちょっと、水汲んでくる」
「さっき汲んだばかりでは…」
「い、いいんすよ!」
そう言い捨てて、健は足早にその場を離れました。残された桃太郎は、きょとんとした顔で健の背中を見送っています。
その様子を、少し離れた場所から見ていた猿吉が言いました。
「……なんか、健の旦那、おかしくねぇですか」
***
翌日、一行は街道沿いの大きな宿場町に辿り着きました。
すると、町の入り口で二人の侍が待ち構えていました。
「お待ちしておりました。あなた方が、噂の五人衆でございますね」
健が警戒して前に出ます。
「噂だと?」
「はい。悪党どもを懲らしめ、弱きを助ける若者たちがいると。我が主の江角が、ぜひ館へお招きしたいと仰せです」
五人は顔を見合わせました。
江角といえばこの辺りを取り仕切ってる大領主です。
「…どうする、桃兄」
「断る理由はない。行ってみよう」
桃太郎が頷くと、一行は侍に先導されて、町の奥にある立派な館へと向かいました。
猿吉は先頭に立ち、持ち前の身軽さで道を切り開きます。雷蔵と風太の兄弟は、時折じゃれ合いながらも、以前のような傲慢さは影を潜めていました。
健は相変わらず桃太郎の傍を離れず、何かあればすぐに手を貸そうとします。
「桃太郎さんはよ、なんであんな強ぇんだろうな」
ある日の夕暮れ、川辺で休憩を取っていた時のことです。雷蔵がふと、風太に小声で話しかけました。
「わかんねぇ。でもよ、時々思うんだ」
「何を」
「もしかして桃太郎さんって……女なんじゃねぇかって」
その言葉を、少し離れた場所で水を汲んでいた健が聞いてしまいました。
竹筒を持つ手が、ぴくりと止まります。
「いやだってさ、やけに所作が色っぽいっていうか……なんつーか、しなやかっていうか」
「馬鹿か。あれは武芸の動きだろ」
「でもよ、髪を結い上げる時の指先とか、食事の時の箸の持ち方とか……」
健は思わず二人のもとへ歩み寄り、問いただしました。
「どうした。何の話だ」
「いえね、もしかしたら桃太郎さんって、女性なんじゃねぇかって」
「はぁ? 何言ってやがんだ」
「いえすんません、やけに所作が色っぽいというか、なんていうか……」
健の眉がぴくりと動きました。
「ふざけんな!桃兄が女な訳ねぇだろ。そりゃすげぇ美男子だと思うけど。恩人の桃兄を侮辱するようなこと言うとゆるさんぞ!」
「すんません、すんません」
雷蔵と風太は慌てて頭を下げます。
健はフンと鼻を鳴らして踵を返しましたが、その足取りはどこか落ち着きませんでした。
(全く、あいつらときたら……)
そう思いながらも、健の視線は無意識に桃太郎を追っていました。
川辺で猿吉と何やら話している横顔。夕日に照らされた頬の輪郭。風に揺れる後れ毛。
(……やめろ、俺)
健は頭を振りました。けれど、一度意識してしまったものは、そう簡単には消えてくれません。
「どうした、健」
不意に声をかけられ、健は飛び上がりそうになりました。振り向くと、桃太郎がすぐ傍に立っていたのです。
「い、いえ、なんでもねっす」
声が上ずってしまいました。桃太郎は不思議そうに首を傾げます。その仕草が、また妙に……。
(俺、そっちの気はねぇはずなのに……いけねぇ、いけねぇ)
健は顔を背け、わざとらしく咳払いをしました。
「ちょっと、水汲んでくる」
「さっき汲んだばかりでは…」
「い、いいんすよ!」
そう言い捨てて、健は足早にその場を離れました。残された桃太郎は、きょとんとした顔で健の背中を見送っています。
その様子を、少し離れた場所から見ていた猿吉が言いました。
「……なんか、健の旦那、おかしくねぇですか」
***
翌日、一行は街道沿いの大きな宿場町に辿り着きました。
すると、町の入り口で二人の侍が待ち構えていました。
「お待ちしておりました。あなた方が、噂の五人衆でございますね」
健が警戒して前に出ます。
「噂だと?」
「はい。悪党どもを懲らしめ、弱きを助ける若者たちがいると。我が主の江角が、ぜひ館へお招きしたいと仰せです」
五人は顔を見合わせました。
江角といえばこの辺りを取り仕切ってる大領主です。
「…どうする、桃兄」
「断る理由はない。行ってみよう」
桃太郎が頷くと、一行は侍に先導されて、町の奥にある立派な館へと向かいました。
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